えしぇ蔵日記

えしぇ蔵日記のブログ版です。

平家物語を偲ぶ京都 その1

2013年10月25日 | Weblog

今日から2泊3日の旅は「12ヶ月全ての京都を楽しむシリーズ」の7回目。今年は10月を選んだ。テーマは夏に平家物語を読んだのでそれにちなんで「平家物語の時代を偲ぶ」。特にまだこのシリーズでは手つかずの嵐山をメインにまわることにした。

いつも比較的気候には恵まれてきた京都旅行だったが、今度ばかりは台風27号ともろにぶつかりそうで出発前は心配だった。幸い徐々にそれていってくれたので京都に着いても雨は降っていたが風は全然なかった。だがいつも清らかに流れていた鴨川は濁流になっていた。濁った鴨川は初めて見た。
8時の新幹線だったので11時には京都にいた。ホテルに荷物を預けてまずは昼飯。「常盤」でワシはこれもこのシリーズのお約束の親子丼。姫はうどんを食った。ここのだしはとにかく素晴らしい。料理はだしが命ということがしみじみわかる味だった。

平家物語とくればあの有名な冒頭部分が頭に浮かぶ。

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ

祇園精舎というのはどこ?と誰しも思うところだろうが、これはインドの釈迦が修行したお寺のこと。これが日本では「八坂神社」にあたる。「八坂神社」は江戸時代までは祇園社と呼ばれ仏道の修行の場だったが、明治の神仏分離で「八坂神社」と名前が変わった。お坊さんたちが修行するのでインドの祇園精舎に倣ってつけられた名前が祇園社だったらしい。
ちょうど昼飯の「常盤」から近かったのでちょっと境内を歩いてみた。そういえば「八坂神社」をゆっくり歩いたことはなかったのでちょうどいい機会だった。
境内の中に平家物語に登場する平忠盛のエピソードにちなんだ「忠盛灯籠」があった。白河院が祇園女御のもとに通った時の妖怪騒ぎのすったもんだを平忠盛が見事に機転を利かせて穏便に解決したというちょっとお色気まじりの面白い話が平家物語の最初の方に登場するが、その話の中に出てくる灯籠がそれだということだった。ちなみに白河院が祇園女御に生ませた子が平清盛で、白河院は自分の子にするようにと平忠盛に授けたという説がある。



「八坂神社」の後は祇園の町をぶらぶらと。「何必館・京都現代美術館」でエリオット・アーウィット展をやっていた。確かまだ東京にいた頃に一度エリオット・アーウィットの写真展を見て感動したので、今回は懐かしさもあった。この人の写真はユーモアあり、涙あり、感動あり、戦慄あり、と本当に見る人を楽しませてくれるし、心の奥深くにまで何かを残してくれる。ここでたっぷりと感性を刺激された。
会場の「何必館」は最上階の一部が天井のない吹抜けで、小さな庭園と和室がある。ここにエリオット・アーウィットのエンパイア・ステートビルの白黒写真が掛け軸としてかけられているのが最高にマッチしていて感動した。しぶい写真を掛け軸にするという発想!あぁそういう感性欲しいなとしみじみ思った。



更に祇園をぶらぶらと。いろんなお店を覘いた。骨董屋、古本屋、雑貨屋、器屋、お香屋・・・。中でも狭い路地の奥の奥でこれまた狭いお店で海外の画集、写真集を専門に扱っていた古本屋のプロ根性には驚いた。こだわりにこだわった実にしぶいセレクト。いい物しか置かないからわかる人だけ買ってくれ、という姿勢がよく伝わった。これだな。プロの仕事だな。



一度ホテルに戻ってチェックインを済ませ、少し休憩してから夕食のために寺町へ。予約の時間までまた古本屋や雑貨屋めぐり。いつかは泊まってみたい高級宿「俵屋」のグッズを売っているお店にも寄ったが、その接客の素晴らしさが非常に勉強になった。
おそらく宿と同じようにきっちり教育されているのだろう。おもてなしの心というのを目の当たりにみる感じだった。
 
夕食は「ルナール ブルー」というお店でフレンチ。姫セレクトだから感動的においしいのは言うに及ばずだが、それプラスここはボリューム満点!正直フレンチでここまで腹いっぱいになったのは初めてかもしれない。ワインもたっぷり飲んでまさにお腹パンパンで店を出た。
それにしても京都の飲食店のレベルというのはどこまですごいのだろうか。日本を代表する観光都市であるからには最高のものを出さなければいけないという気負いでもあるのだろうかと思わせるほど、あちこちで素晴らしい料理に出会うことができる。とにかく気合が入ってるお店ばかりだからそれが嬉しい。福岡の飲食店は須く見習うべしだ。



ホテルに帰る道すがらに寄った「八百一」というスーパーでまたしてもビックリ。ここは1階と2階が店舗で3階にはなんとなんと畑があった!お店で販売するための野菜を育てていた。もちろん他にも農場はあるのでそこはほんの一部にすぎないが、それでもその大胆な発想と試みにワシは完全に脱帽。果敢な取り組みに拍手を送りたいと思った。
 


ということで1日目は終了。明日はメインの嵐山。
 
「生きる手本」

感動と 気合をもらふ 京のたび
生きる手本の あちらこちらに

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 英語漢解2 | トップ | 平家物語を偲ぶ京都 その2 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事