Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

年末年始

2010年01月04日 | 身辺雑記
 私は今日から通常勤務で、なんともあっけない年末年始でしたが、みなさんはいかがお過ごしでしたか。

 私は12月30日に箱根へ登山に行ってきました。明神ヶ岳~明星ヶ岳の縦走コースで、私の好きなコースです。道はぬかるんで歩きにくく、明神ヶ岳の頂上は強風で立っていられないほど。ほうほうの態で引き返して、風を避けて木陰でおにぎりを食べましたが、その寒かったこと! とても長居はできませんでした。
 それでも明星ヶ岳への稜線に出ると、風の直撃はなく、のんびり歩くことができました。落ち葉をふんで下山。その日のうちに東京に戻ることもできる時間でしたが、少し贅沢をして、いつもの宿で一泊。

 温泉に入って、夕食のときにはワインを1本空け、部屋に戻って、テレビで寅さんをみました。1978年制作のシリーズ第22作。全48作ある同シリーズの中でちょうど中間くらいの作品です。マドンナは大原麗子。缶ビールを飲みながら、泣き笑いしました。

 私は寅さんが好きで、当時は欠かさずみていました。今回、映画をみながら、寅さんって肝心なことはみんなわかっているんだなと思いました。今回の映画でいうと、大原麗子に恋したけれども、大原麗子は別の人が好きで、自分の居場所はないということ――。なので、旅に出る。もう、ぼくよりもよっぽど利口。だから泣けてくるんですね。

 さて元旦は恒例のウィーンフィルのニューイヤー・コンサート。普段は家ではテレビをみない私も、この日は押入れから引っ張り出してきました。
 今年の指揮者は2008年に引き続いてジョルジュ・プレートル。満85歳だそうですが、元気一杯。ときどきアゴーギクを大胆につけながら、濃厚な味つけをみせる一面もあって、こういう指揮者っていいですね。やんちゃ坊主がそのまま好々爺になったようで、このコンサートには最適だと思いました。

 個々の曲目では、オッフェンバックの「ラインの妖精」序曲にびっくりしました。始まってすぐに、あっ、これは「ホフマン物語」の舟歌だと――。そういえば、舟歌はほかの作品からの転用だということを、どこかで読んだ記憶があります。それがこの曲だったんですね。

 こういうひとひねりした選曲が、ヨーロッパのニューイヤー・コンサートの面白いところです。けっしてポピュラーな名曲を並べるだけではなく、知られざる名曲や作曲者の意外な面をみせる曲目を入れて、市民もそれを楽しんでいる――そういう土壌の中にこのコンサートもあるということが、よくわかる選曲でした。

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