ハリソン・バートウィスルHarrison Birtwistle(1934-)。名前は聞いたことがあるが音楽は知らない、というのが正直なところだ。そのバートウィスルが武満徹作曲賞の審査員として来日し、恒例の演奏会が開かれた。どんな音楽か、興味津々だった。
1曲目は「ある想像の風景An Imaginary Landscape」(1971)。金管楽器、打楽器とコントラバスのための曲。バートウィスル初期の作品だ。金管楽器(ホルン4、トランペット4、トロンボーン3、チューバ1)が曲の途中で移動する点がユニークだ。場所が変わると響きも変わる。CDだとこういう面白さは出てこないだろう。音の鮮度がよさそうだ。
2曲目はヴァイオリン協奏曲(2009-2010)。単一楽章で書かれている30分ほどの曲。ボストン交響楽団の委嘱作。ヴァイオリンの超絶技巧が聴きものだが、オーケストラも面白かった。オペラ的な雄弁さがあった。後述するが、バートウィスルにはオペラ作品が多い。なるほど、こういう音楽なら、オペラも面白いだろうなと思った。最後は静寂な部分で終わる。意味深長な終わり方だった。
3曲目は「エクソディExody‘23:59:59’」(1997)。30分ほどのオーケストラ曲。シカゴ交響楽団の委嘱作。前曲のオーケストラパートと同様、この曲もオーケストラが雄弁だ。がっちり構築されているとか、頂点に向かって突き進むとかいうよりも、刻々と変わっていく音楽。どこに行くかわからない。ヴァイオリン協奏曲のときは面白かったが、この曲ではついていけなかった。
以上3曲すべて日本初演。バートウィスルの音楽は日本ではあまり馴染みがない。演奏はステファン・アズベリーStefan Asbury指揮の東京交響楽団。アズベリーは1965年生まれ。ひじょうに優秀な指揮者だ。東京交響楽団も立派。ヴァイオリン独奏のダニエル・ホープも凄かった。
バートウィスルのオペラだが、今年のザルツブルグ音楽祭で「ガーウェインGawain」が上演される。メッツマッハーの指揮。行ってみたいが今年は無理だ。
もう一つ、ベルリン国立歌劇場(リンデンオーパー)の公演予定で「パンチとジュディPunch and Judy」を見つけた。バートウィスル最初期の作品。シラー劇場付属のヴェルクシュテットで、来年5月。残念ながら時期的に難しい。
(2013.5.23.東京オペラシティ)
1曲目は「ある想像の風景An Imaginary Landscape」(1971)。金管楽器、打楽器とコントラバスのための曲。バートウィスル初期の作品だ。金管楽器(ホルン4、トランペット4、トロンボーン3、チューバ1)が曲の途中で移動する点がユニークだ。場所が変わると響きも変わる。CDだとこういう面白さは出てこないだろう。音の鮮度がよさそうだ。
2曲目はヴァイオリン協奏曲(2009-2010)。単一楽章で書かれている30分ほどの曲。ボストン交響楽団の委嘱作。ヴァイオリンの超絶技巧が聴きものだが、オーケストラも面白かった。オペラ的な雄弁さがあった。後述するが、バートウィスルにはオペラ作品が多い。なるほど、こういう音楽なら、オペラも面白いだろうなと思った。最後は静寂な部分で終わる。意味深長な終わり方だった。
3曲目は「エクソディExody‘23:59:59’」(1997)。30分ほどのオーケストラ曲。シカゴ交響楽団の委嘱作。前曲のオーケストラパートと同様、この曲もオーケストラが雄弁だ。がっちり構築されているとか、頂点に向かって突き進むとかいうよりも、刻々と変わっていく音楽。どこに行くかわからない。ヴァイオリン協奏曲のときは面白かったが、この曲ではついていけなかった。
以上3曲すべて日本初演。バートウィスルの音楽は日本ではあまり馴染みがない。演奏はステファン・アズベリーStefan Asbury指揮の東京交響楽団。アズベリーは1965年生まれ。ひじょうに優秀な指揮者だ。東京交響楽団も立派。ヴァイオリン独奏のダニエル・ホープも凄かった。
バートウィスルのオペラだが、今年のザルツブルグ音楽祭で「ガーウェインGawain」が上演される。メッツマッハーの指揮。行ってみたいが今年は無理だ。
もう一つ、ベルリン国立歌劇場(リンデンオーパー)の公演予定で「パンチとジュディPunch and Judy」を見つけた。バートウィスル最初期の作品。シラー劇場付属のヴェルクシュテットで、来年5月。残念ながら時期的に難しい。
(2013.5.23.東京オペラシティ)