Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

上高地

2010年06月08日 | 身辺雑記
 日曜日から月曜日にかけて上高地に行ってきました。天気は快晴。新緑のシャワーを浴びてきました。

 日曜日は毎年恒例のウェストン祭の日。私は参加しませんでしたが、河童橋の周辺は多くの人で賑わっていました。梓川の向こうにはまだ雪がたっぷり残っている穂高連峰がそびえたち、最高の眺めでした。

 河童橋から明神までは観光客のかたがたも沢山歩いていましたが、明神をすぎると途端に少なくなりました。林床には白いニリンソウが群生していて、この時期の楽しみです。今年はすこし多めかもしれません。ニリンソウのカーペットの脇にはサンカヨウの白い花も咲いていて、これもまた楽しみです。もう見なれた花たちですが、今回はニリンソウの白とサンカヨウの白は同じ系統の白だと思いました。暖かみのある、清楚な白。

 夜は徳沢ロッジに泊まりました。同宿はわずか6名。夕食時にそれぞれビールやワインや日本酒を飲みながら、話の輪が広がりました。ある初老の男性は、某地で九条の会をやっているとのこと。「思想信条ということではなく、みんなでワイワイやっていることが楽しいのです」。
 もう一人の男性は定年退職した元英語教師のようでした。「昔は『日本の英語教育は会話ひとつできない』と批判されたものですが、それはとっくに変わっていて、今はS(主語)V(動詞)O(目的語)すら知らない学生がほとんどです」。
 その奥様は寡黙なかたでしたが、どうやら某国立大学で理科系の科目を教えていらっしゃるようでした。書類の作成に追われて、帰宅は毎晩11時頃とのこと。「こうなったのは新自由主義がいわれた頃からです」とご主人。

 翌朝はみなさんに見送られて7時出発。なんの木なのかはわかりませんが、強くてよい香りをかぎながら、快調に歩を進めて、徳本峠(とくごうとうげ)を目指しました。上り坂には残雪もありましたが、前日にウェストン祭があったからでしょうか、道がきれいにあけられていて、歩行にはなんの支障もありませんでした。

 徳本峠をこえて、島々谷を下山しました。ゴーッ、ゴーッという沢の音の絶えることがない新緑の山道です。途中で野ザルの群れを見かけました。なにかを食べながら遊んでいる小ザルがいて、とても可愛らしかったのですが、そのそばでは親ザルが――人間がいるので――心配そうに鳴いていました。

 午後4時に島々宿のバス停に出ました。ほんとうは温泉に一泊といきたいところでしたが、そうもいかず、まっすぐ帰京しました。
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