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後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔441〕清瀬市議・布施由女の最新議会便りと鎌田慧さんのコラムです。

2022年03月03日 | メール・便り・ミニコミ
  清瀬市議・布施由女が議会終了時に年4回発行している「ゆめ通信」31号が完成しました。
 今回は彼女の議会レポートや議場ウオッチング、陳情の顛末等に加えて、西東京市議の森てるおさんの投稿も掲載されています。私も谷口ジローの『歩くひと』と清瀬の関わりについて書かせてもらいました。
  画面を拡大して読んでいただけたら嬉しいです。








 
 そして鎌田慧さんのコラムです。

◆空に伸びる開発
鎌田 慧(ルポライター)

 畑を潰(つぶ)し海は破壊。農民や漁民を追い払って、茨城県の鹿島
地域などに広大な工場地帯があらわれた。「開発」は進歩を意味した
が、犠牲者は農漁民だけでなく、公害として都市住民を襲った。
 青森県のむつ小川原開発や鹿児島県の志布志湾開発は幻に終わった。
たかだか半世紀前の話だ。

 いま神宮の森が再開発され、1000本近い樹木が伐採される計画が
浮上した。
 樹齢100年以上たった広葉樹なども伐り倒され66ヘクタールにも及ぶ
エリアで大工事がはじまる。温暖化が促進される。
 既に東京五輪のための国立競技場拡大により、高齢者など300世帯が
住む都営アパートが破壊された。高さ190m、185m、80mなどの
オフィスやホテルなど巨大なビルが建設される。
 鹿島開発、むつ小川原開発で用地買収を手がけた三井不動産、それに
商社の伊藤忠商事が中心だ。

 不動産会社や建設会社は、地方の工業化で広大な土地を掘り起こして
儲けた。いまは都心の一等地に空を塞ぐ、コンクリートの塔をつくる。
 この虚大事業が、100年かかってつくりあげた広々として心洗う
緑地帯を「開発」で破壊しようとする。
 不動産業と建設産業は「脱工業」と称して、緑の空間を無機質のコン
クリートに変えて生き残ろうとする。
 リニアモーター建設、沖縄辺野古の軍事基地建設、六ケ所村の核
再処理工場。
 非人間的事業だ。 (2月15日東京新聞25面「本音のコラム」より)

〔440〕なんと、ラジオ深夜便「明日へのことば」に福田緑のインタビュー「祈りの彫刻を撮り続けて20年」登場です。

2022年03月03日 | テレビ・ラジオ・新聞
 第2回福田緑写真展が6日間で約500名を迎えて成功裏に終了したことはこのブログで触れたところです。来館者の中にはさまざまな人がいらして、多くのことを教えていただき、啓発されました。その中のお一人が玉谷邦博さん(ラジオ深夜便ディレクター)です。
 彼からの有り難い申し入れがありました。ラジオ深夜便「明日へのことば」での福田緑インタビューです。リーメンシュナイダーなど中世後期の彫刻の写真撮影だけでなく、33年の教師生活についてもご興味がおありのようです。
 ラジオ深夜便といえば、澤地久枝さん、落合恵子さん、五木寛之さんらの名前が浮かんでくるのですが、その詳細は私自身は認識していません。
 放送は「4月19日(火)午前5時05分頃〜50分頃」。注目していただければ嬉しいです。実は、再来週打ち合わせ、月末に収録という日程です。

◆福田緑のインタビュー「祈りの彫刻を撮り続けて20年」

○放送日時:4月19日(火)午前5時05分頃〜50分頃(長さ40分位)
○放送波:ラジオ第1&FM放送
○番組名:「明日へのことば」※
○タイトル:祈りの彫刻を撮り続けて20年
○出演者:元教員・アマチュア写真家 福田緑
○聞き手:玉谷邦博さん(ラジオ深夜便ディレクター)
※番組の主旨は、各界でご活躍の方に仕事や研究を通して
 得た、ものの見方や人生観などを聞くインタビュー。


鎌田慧さんの許可を得てコラムを転載します。

◆神宮の森の大伐採         鎌田慧(ルポライター)

 神宮の森の大伐採計画が、都の都市計画審議会で可決された。先週も
この欄で書いたが、辛うじて都心に残されてきた、歴史的で貴重、広大
な緑のオアシスが、あまりにも露骨な儲け主義の餌食にされようと
している。
 樹齢百年以上の老木もふくめ「開発予定地」にある樹木の半分以上が
大虐殺され、高さ190m、185mなどと、空を制圧するコンクリートの
巨大なオフィスビルが建て並べられるという。

 東京五輪にむけて、建築基準の緩和策で国立競技場の建て替えなどが
実施された。その間隙(かんげき)を縫った巨大開発計画が、三井
不動産や伊藤忠商事などが狙った千載一遇のビジネスチャンスだ。
 しかし、東京の地形が日比谷公園から皇居、神宮の森、新宿御苑へと
森と緑地が続いているからこそ、やわらかな風が流れ、花が咲き、潤い
のある首都となっている。

 森の伐採は、その繋がりの要を破壊する。
 地方の工業開発の時代は終わった。いま都心のオフィスとマンション
建設で、あらたな需要をつくりだそうとしているのが、金融業、不動
産業、建築産業の欲望である。
 かつて土地に柵を立てた囲い込み政策が今後、コンクリートの塔を
天に突き刺し、空を包囲し地上に冷たい暴力的な風を巻き起こす。
 極限の一極集中計画というべき「神宮外苑再開発」は厳しい歴史の
審判を受けるであろう。
     (2月22日「東京新聞」朝刊23面「本音のコラム」より)