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後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔138〕北村小夜さんの講演「軍国少女を生きて」、戦前ではなく今の話として聞きました。

2017年04月01日 | 講座・ワークショップ
  東京の多摩地区に配布されている地域新聞「アサココ」に以下のような講演案内が載っていました。これは万難を排して駆けつけなければと思いました。

■「軍国少女を生きて」2017年3月26日10時、くにたち福祉会館(谷保駅10分)。
 1925年生まれの北村小夜さん(元教員)が話す。スペースF・国立の教育を考える市民連絡会共催。

  北村小夜さんは教職員組合活動、地域の教育運動家、反戦教師として著名な方です。ネットに登場していた紹介文をコピーさせてもらいましょう。

●1925年生まれ。1950年から1986年まで東京都大田区内の小・中学校で教員(65年から退職まで中学校特殊学級担任)。子どもたちとの付き合いの中から子どもを分けてはならない事に気付き、共に学ぶ地域の学校づくりをめざしてきた。「障害児を普通学校へ・全国連絡会」世話人。著書に「一緒がいいならなぜ分けた─特殊学級の中から」「地域の学校で共に学ぶ」(現代書館)他多数

  しかし、私にとってかなり近しい存在なのは、演劇教育の大先輩にあたるからです。日本演劇教育連盟主催の冨田博之さんを偲ぶ会だったでしょうか、この時に初めてお話しした記憶があります。その後、ミニコミ「啓」をお送りして読者になってくださいました。時々葉書や手紙も頂きました。そしてあるとき、段ボール1杯分の演劇書を送っていただきました。ご高齢になられたので活用してほしいということでした。ご著書を頂いたこともあります。しかしながら、そんな北村さんの話をしっかり聞く機会を持ちませんでした。そんな時に「アサココ」の情報が舞い込んだのです。
  小雨の降る日曜日の朝でした。1時間の講演が資料に基づいて始まりました。

●学習会「戦争は教室から始まる」資料
1,1938年の教室
2,国定第3期(1918~1933)修身教科書
3,現行の小学校音楽共通教材、ほとんどが文部省唱歌
4,歌詞だけ変えて歌われる戦争の歌
5,戦争と国家の健康管理
6,教育勅語と排除決議・失効確認決議
*戦争するには国民の逆らわない心と丈夫な体が必要である。ほぼその体制は整っている。

〔その他の資料〕
・「軍国少女への道」
・「躍進50年」朝日新聞創刊50周年のグラフ
・ 回覧「大東亜戦争必勝祈願」
・「唱歌(音楽)は修身の手段」
・『戦争は教室から始まる―元軍国少女・北村小夜が語る』の部分コピー

  とにかくたっぷりの資料が配付されました。この資料は家に帰ってからしっかりかみしめることにしました。
 軍国少女だった北村さんは、敗戦と同時に、身の回りにある「壊せるもの」を手当たり次第壊したそうです。戦争を熱心に推進していた時期は「忘れたい5年間」だったというのです。天皇のために尽くすということは愚かだし、くだらないことだし、その悔しさが忘れられないというのです。
  北村さんのような思いを共有しないで済むように、今できることをやっておかなくてはと肝に銘じた講演会でした。森友疑惑をうやむやにしないで、共謀罪法案を葬り去らなければなりません。
  最後に、北村さんの下掲の本を近々読んでみようと思ってます。

●『戦争は教室から始まる―元軍国少女・北村小夜が語る』「日の丸君が代」強制に反対する神奈川の会 (編集) 、現代書館 2008/9
〔内容〕戦前の教育はすでに復活している。修身=道徳・『心のノート』、体力手帳=『元気アップハンドブック』、愛国心を評価する通信表、歌い継がれる戦争の歌(唱歌)…。押し付けでなくより巧妙に、逆らわない心と丈夫な体づくりが定着している。二〇〇六年十二月から二〇〇七年六月にかけて、六回にわたって開催した北村小夜さんの連続学習会「戦争は教室から始まる―学校の戦前戦後、断絶と連続」の講演録。