平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

フルートの名曲~フォーレの幻想曲 作品79

2008-09-01 19:13:35 | 芸術
 9月危機説の流れた韓国経済がいよいよ9月に突入し、ウォンとコスピ(KOSPI~株価指標)の動向が注目されました。蓋を開ければウォンが一時1124ウォン/ドルという、約3%の暴落。これで1100とか1120にオプションを設定していた企業は即死のようです(KIKO=ノックイン/ノックアウトオプション)。またコスピも4%の暴落。しかも、両者の暴落に、休場だったアメリカのファンドが絡んでいないのです。それで、禿鷹と呼ばれるアメリカのファンドが、コスピを始末してドル替えする明日こそ、韓国経済にとって本当の崩壊序奏だと囁かれています。

 ところで、ウォンの暴落チャートを見ていて、なぜか「フルートの名曲」を思い出しました。「フルートの名曲」というのは、90年代半ばのFM(NHK)で放送されたもので、その構成の良さに、何度聴いても飽きが来なかった番組でした。僕はNHKの左翼体質を批判しますが、FM放送では流石にプロと唸らせる番組構成と選曲が多かったのです。「フルートの名曲」もその一つですが、冒頭で演奏されるのがフォーレの『フルートとピアノのための幻想曲ハ長調 作品79』です。

 この曲は、番組の解説ではコンクールの課題曲と紹介されていたのですが、『フォーレ室内楽曲集3(パレナン四重奏団、フルート~ミシェル・デポスト)』によると、同じくヘ長調の曲の方だけ課題曲になっていました。どちらかが間違っていますね。構成が同じなのだから、両方とも課題曲ではないかと思います→デポスト盤

 さて、この曲の印象ですが、静かに始まった旋律が、ウォンの暴落チャートのように高音部に一気に駆け上がるところが課題曲としてのテーマかなと感じました。コンクールの課題曲は一般につまらない物が多いのですが(特に日本のコンクール)、この曲はとても聴き応えがあります。放送ではランパルだったと思うのですが、もう少し現代的でメリハリのある良い演奏でした→ランパル盤試聴

 この曲の後に、お馴染みの名曲が続くのです。フリードリッヒ大王の作品、グルックの歌劇オルフェウスより精霊の踊り、イベールの間奏曲、ビゼーのアルルの女第2組曲よりメヌエット、ドップラーのハンガリー田園幻想曲、デュナンのヴェニスの謝肉祭、と続きます(順番はうろ覚え)。最後は日本人作曲者だったのですが、テープが無くなり途中で切れていました。演奏者は、パトリック・ガロワ、オーレル・ニコレ、ジェームズ・ゴールウェイ、ヴォルフガング・シュルツなど多士済々。それで誰がどの曲を演奏したかを覚えるのが途中で面倒になり、結局はうろ覚えになりました。技巧的なガロワの精霊の踊りと間奏曲、情感たっぷりのゴールウェイのハンガリー田園幻想曲、清澄なニコレのアルルの女ではなかったかと記憶しています。

 もう十年前に無くしたテープですが、今でも曲と演奏者の組み合わせは覚えています。別の人の演奏だと分かるという意味です。このようなオムニバス形式の放送は、ナレーターの声と共に記憶に残るもので、親しむとCDの演奏のみは物足らなく感じます。若い時はエアチェックでナレーションをカットして録音したものですが、都会人や一人暮らし老人の孤独というのは、このような放送によって癒されて来たのかなと思うようになりました。

 デジタル放送の出現でFM放送の重要度が低下し、オーディオ産業が停滞する今の時代、バプル崩壊と共に何か大切なものを失った日本人が重なって見えます。音楽というのは、有り余る環境ではなくて、足らなくて飢えているくらいが幸福なのだと思いますね。飽食の時代は飽音の時代でもあったのです。戦後に残されたフルトヴェングラーの遺産に、当時の人の神を求める心と、音楽を求める心の一致をみる気がします。音楽は本来、神のように心を打ち叩いて求める物なのです。

     エフライム工房 平御幸
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 名盤~古代ギリシャの音楽 | トップ | フルートの名曲~その2.ハ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

芸術」カテゴリの最新記事