平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

AKAI AM-A90の修理

2013-04-18 14:26:12 | アンプ製作と修理




 部屋と押入れを広くしよう作戦の一環として、ストックしてあったジャンクアンプを次から次へと修理しています。

 まず、オンキョーのパワーアンプM-506ですが、これは片チャンネルのドライバー段と、両チャンネルのパワー段トランジスタが全滅。もともと電源部が欲しくて落札したものなので、このように修理するつもりはなかったのです。でも開けてみれば、修理の虫が疼いてしまい、手を入れることに orz。でもやはりFETアンプに改造しようかなと…。

 次に、2012年の1月に予告しましたが、クリスタルグラスの音の石を採用した、AKAI AM-A90の修理。こちらは右チャンネルにザーというノイズ。初段の2SK117というFETを交換して綺麗な音が出たと思ったらまたノイズ。結局、二段目と三段目のトランジスタ交換で直ったようです。

 このアンプは独特の構成で、自作派なら安井式として知られる、プラス側トランジスタとマイナス側トランジスタを最初から最後まで上下に配置した形です。近代アンプの定番である差動式を使っていません。ちなみに、日立などは差動二段+ドライバ+パワー段で、これが最もスタンダードです。僕の自作は差動二段+パワー段というシンプルさです。

 AM-A90のもう一つの特徴は、バイアス電流が小さくてヒートシンクが冷たいB級アンプに近いということです。同じ石(東芝2SK405/2SJ115)を使った日立のHA-007の方は、バイアス電流が大きいAB級なので結構暖かくなります。なぜこうなったのかを推理すると、当時の会社の状況が目に見えてきます。

 まず、AM-A90の筐体は奥行きが深く高さがないデザインです。スリムタイプが流行っていたこともあり、初期設計で背の高いデザインだったものを急遽変更したものと分かります。なぜ分かるのか?それは、ヒートシンクが収まりきれず、基板を複雑にカットしてヒートシンクを埋没させている構造から分かるのです。もともと、ヒートシンクの真下にパワーMOS-FETが取り付けられる構造を、無理やりデバイスの足を折り曲げて取り付けているのです。

 この無理な構造でボトムの強度が足りなくなり、底の脚は6個も付いています。普通は4個ですから異様です。また、パワーが欲しいものだから、無理矢理にパワーデバイスをパラにして、出力を倍にしています。ヒートシンクが小さいからバイアス電流を下げて発熱を抑え、結果として、MOSらしい繊細感とキレはあるが音質的にイマイチという評価となったのです。

 ということで、欲張った設計を見直して、パワーMOSを半分にして、バイアス電流も少し上げてみようと思います。取り外したMOSは、そのままソニーやフィリップスのMOSアンプに使えるので、今度はソニーなどの改造を考えています。僕としても、長岡先生絶賛のソニー TA-F222ESJが、一世代古いMOSに換えることで、どのような音に変化するのか見てみたいのです。やはりクリスタルグラスの音になるのでしょうか。

 長岡先生のテストレポートが出て来ましたので掲載します。圧縮してあるので文字が小さいですが、何とか読めると思います。また、パワーMOSを半分にして、バイアスを目一杯にしてボンネットをかぶせました。最初は冷たいままでしたが徐々に暖かくなり、これなら100mA程度は流れているように思います。時間が経つと良くなるアンプです。

 なお、修理写真が出せないのはボリュームツマミがシルバーだからです。もともとアルプス製のボリュームが壊れていたのですが、特殊なシャフト長と4端子で互換性がありません。ボリュームをアルプスの市販品(3端子)に交換して音は大丈夫ですが、オリジナルのツマミは入らないので市販品に交換。しかし、ツマミは種類が少なく、特に黒がありません。シルバーに塗装を考えています。

    エフライム工房 平御幸
コメント (3)
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