フジテレビが少しは健全だった頃、『夏子の酒』というドラマがありました。原作はコミックですが、幻の酒米(さかまい)を復活させようとする元OLの情熱と、彼女を取り巻く人々を描いたものです。難点は主役の和久井映見の性格が強すぎるということでしたが、全体的には良い出来でした。
さて、このドラマの主題歌が『風と雲と私』なのですが、歌っていたのは熊谷幸子(さちこ)というシンガーソングライターで、この曲が唯一のヒットという、『異邦人』の久保田早紀路線を完全に踏襲した、ワンヒットライターです(業界用語で正しくは何と言うか分かりません)。この、生涯でヒット曲が一曲のみというミュージシャンの作品は、僕は意外に好きなんですね。
熊谷幸子という名前は覚えるのが難しくて、今までに何度もうろ覚えの曲名で検索しては忘れの繰り返しでした。それで、オークションで検索してみたら、今回はたまたまあったので、落札して取り寄せてみました。以前にはオークションにも出ていなかったのです。
アルバムのタイトルはPoison Kiss(試聴)ですが、ジャケットを見ると違和感がありまくりです。村主さん系の美人になり損ねたルックスで、それに似合わないファッションセンスが悲しくなります。頭がお花畑なのに、顔立ちがお花畑に似合っていないという感じです。
『風と雲と私』という曲はリズム感が良くて、古典的な曲調を現代的にアレンジした感があります。歌詞も曲とマッチしていて、透明感のある声質にフィットしています。でも、他の収録曲はお世辞にも良いとは言えません。そこで調べてみたら、彼女は作曲と編曲はしているけど作詞はしていないんですね。シンガー・ソングライターの条件に少し外れます。それよりも、かの松任谷由美の旦那である松任谷正隆氏が、他の曲は編曲しているんですね。どうやら、彼女は松任谷正隆音楽アカデミーの出身のようです。結果的に、松任谷正隆抜きが唯一ヒットした曲となったのですから皮肉です。
松任谷由美こと荒井由美は、僕が最も嫌いなミュージシャンの1人で、あの地獄の底から魂を招いているかのような魔女の声にはゾッとします。実際、大学の同級生の女の子が、失恋して死にそうになっていた時に彼女の曲に心酔していたのです。辛い大学生活の僕にとっての幸は、荒井由美が芸大日本画の最終試験で落っこちて、同級生にならずに済んだという事です。それにしても、学科の試験会場で同じ部屋だったのに、キョロキョロと品定めしていた目に留まりませんでした。後で聞いて「へーっ」と思った程度です。同じ予備校の五浪の先輩は、キョロキョロと真剣にカンニングをしていましたが(見せたのは僕です…時効)。
旦那の松任谷正隆の猫撫で声も気持ち悪いですが、男の猫撫で声は下心の産物であり、女性は警戒が必要です。サタンの眷属で、女性を誑(たぶら)かす者の声が猫撫で声なのです。優しい声と、猫撫で声は、似て非なるものなのです。ですから、松任谷正隆を必要とした時点で、熊谷幸子は終わっていたのだと思います。
ちなみに、僕の集めたJポップス・ベストアルバムは、白い花(本田路津子)、色づく街(南沙織)、異邦人(久保田早紀)、秋桜(山口百恵)、22才の別れ(風)、いとしのエリー(サザンオールスターズ)、風と雲と私(熊谷幸子)、難破船(中森明菜)、という感じで、主にアンプやスピーカーの音質チェックに使っています。『異邦人』なんか、下手なアンプではヒステリックで音程が揺れる欠点が見え、久保田早紀は下手だなぁで終わってしまいます。これが、良くできたアンプでは、一杯飲んで酔っ払ったような、ハスキーな色っぽい久保田早紀になるのです。この時の魅力は他のものでは換えられませんね。もっとも、聴く方が一杯やるというのも手かもしれませんが…。
エフライム工房 平御幸
さて、このドラマの主題歌が『風と雲と私』なのですが、歌っていたのは熊谷幸子(さちこ)というシンガーソングライターで、この曲が唯一のヒットという、『異邦人』の久保田早紀路線を完全に踏襲した、ワンヒットライターです(業界用語で正しくは何と言うか分かりません)。この、生涯でヒット曲が一曲のみというミュージシャンの作品は、僕は意外に好きなんですね。
熊谷幸子という名前は覚えるのが難しくて、今までに何度もうろ覚えの曲名で検索しては忘れの繰り返しでした。それで、オークションで検索してみたら、今回はたまたまあったので、落札して取り寄せてみました。以前にはオークションにも出ていなかったのです。
アルバムのタイトルはPoison Kiss(試聴)ですが、ジャケットを見ると違和感がありまくりです。村主さん系の美人になり損ねたルックスで、それに似合わないファッションセンスが悲しくなります。頭がお花畑なのに、顔立ちがお花畑に似合っていないという感じです。
『風と雲と私』という曲はリズム感が良くて、古典的な曲調を現代的にアレンジした感があります。歌詞も曲とマッチしていて、透明感のある声質にフィットしています。でも、他の収録曲はお世辞にも良いとは言えません。そこで調べてみたら、彼女は作曲と編曲はしているけど作詞はしていないんですね。シンガー・ソングライターの条件に少し外れます。それよりも、かの松任谷由美の旦那である松任谷正隆氏が、他の曲は編曲しているんですね。どうやら、彼女は松任谷正隆音楽アカデミーの出身のようです。結果的に、松任谷正隆抜きが唯一ヒットした曲となったのですから皮肉です。
松任谷由美こと荒井由美は、僕が最も嫌いなミュージシャンの1人で、あの地獄の底から魂を招いているかのような魔女の声にはゾッとします。実際、大学の同級生の女の子が、失恋して死にそうになっていた時に彼女の曲に心酔していたのです。辛い大学生活の僕にとっての幸は、荒井由美が芸大日本画の最終試験で落っこちて、同級生にならずに済んだという事です。それにしても、学科の試験会場で同じ部屋だったのに、キョロキョロと品定めしていた目に留まりませんでした。後で聞いて「へーっ」と思った程度です。同じ予備校の五浪の先輩は、キョロキョロと真剣にカンニングをしていましたが(見せたのは僕です…時効)。
旦那の松任谷正隆の猫撫で声も気持ち悪いですが、男の猫撫で声は下心の産物であり、女性は警戒が必要です。サタンの眷属で、女性を誑(たぶら)かす者の声が猫撫で声なのです。優しい声と、猫撫で声は、似て非なるものなのです。ですから、松任谷正隆を必要とした時点で、熊谷幸子は終わっていたのだと思います。
ちなみに、僕の集めたJポップス・ベストアルバムは、白い花(本田路津子)、色づく街(南沙織)、異邦人(久保田早紀)、秋桜(山口百恵)、22才の別れ(風)、いとしのエリー(サザンオールスターズ)、風と雲と私(熊谷幸子)、難破船(中森明菜)、という感じで、主にアンプやスピーカーの音質チェックに使っています。『異邦人』なんか、下手なアンプではヒステリックで音程が揺れる欠点が見え、久保田早紀は下手だなぁで終わってしまいます。これが、良くできたアンプでは、一杯飲んで酔っ払ったような、ハスキーな色っぽい久保田早紀になるのです。この時の魅力は他のものでは換えられませんね。もっとも、聴く方が一杯やるというのも手かもしれませんが…。
エフライム工房 平御幸