病院の面会は午後のほうがよさそうなので、午前中は再び青森県立郷土館へと出かけました。ホテルから歩いて5分ほどのところにあります。
たくさんの展示物がありますので、できれば見学には、2日ぐらいは時間をかけたいところです。
今回は解説員の女性の方に、建物についてお聞きすることができました。
この郷土館の建物の一部は、1931年(昭和6年)に第五十九銀行青森支店として開業し、1943年に新しく発足した青森銀行本店となったとのこと。設計者は堀江佐吉の七男である堀江幸治で、施工は堀江組とのことです。
堀江佐吉が関わった建築物は弘前に多く残っているようですが、いつか建築物巡りをしてみたくなりました。→ こちら
そういえば、私の父も大工になりたかったと言っていたことがありましたが、堀江佐吉のことが頭にあったのかも。
階段のそばに、大きな金庫がありました。
階段の装飾は、第五十九銀行の5と9がデザインされたものだとのことです。
枠の黒っぽい石は、埼玉県秩父地方の蛇灰岩の可能性があるんだとか。
柱の上部のレリーフは左官職人による「こて絵」と呼ばれるものだそうです。
こて絵については こちら
この見事なこて絵のレリーフについて、いただいたチラシに説明がありました。
左官職人の方は鈴木弥太郎という方で、1950年(昭和25年)のころに製作したとのことです。
お父さんの命日にこの郷土館を訪れる娘さんの寄稿が添付されていて、
分厚い版木にモチーフを彫刻し、それに寒天を流し込み固める → その寒天に石膏を流し固めて1枚1枚乾燥させる → その1枚1枚を工事現場で張り付ける
ということで出来上がるのだとか。
平和の喜びといったものがこめられているように見えてきます。
当然のことながら、職人さんは具体的に考えなければ仕事になりません。
今は具体的な思考に欠け、抽象的な言葉を上手に操る評論家タイプの方たちが多くなってきていると感じられます。
抽象的な言葉を使っていると、現実の問題解決にはなかなか役立たたないかもしれません。
判断力を重視して選ぶということが必要ではないでしょうか。
演説の時間よりも質問の時間を多くしてもらって日本の難問をどう考えるのか、を知りたいと思います。