みいちゃんといっしょ

みいちゃんとみいちゃんのパパの日記

フェルメールの模写にとりかかりました

2009年08月29日 | アート

いよいよ画材も揃い、フェルメールの模写にとりかかりました。
 題材は、自分としてはフェルメール作品中最高傑作と思っている「手紙を読む青衣の女」(Woman in Blue Reading a Letter)です。
 キャンバスサイズが46.5 x 39 cmと変形なので、F8号のキャンバスで多少トリミングをしようかと迷ったのですが、それではフェルメールの計算し尽くされた画面構成が台無しになってしまうので、10号の中心に描くことにしました。あとで、張りなおしても良いし、枠を作って10号額に飾ることもできると考えたからです。


 これが↓模写の題材です。フェルメールの特徴であるラピスラズリの青がふんだんに使われているとてもシンプルな構成となっています。



 フェルメールには女性が手紙を読んだり書いたりする絵が多い。これは、17世紀半ばにオランダは郵便制度の発展があり、民間人が手紙を自由にやり取りできるようになって、ちょうど今の携帯メールのような流行があったからだそうです。また、商業国ということで、オランダ女性の識字率が高かったことも背景にあるそうです(江戸もむちゃくちゃ識字率が高かったそうですが)。

 まずは、鉛筆によるデッサンです。久々のデッサンで、書いては消し、書いては消しで、6時間ぐらいかかりました。



フェルメールの絵は、輪郭というものがはっきりせず、無限のグラデーションが形を形成しているため、鉛筆では描ききれないところが多く大変苦労しました。

 とくにダビンチやミケランジェロのマリア様のような気品のある女性の表情は難しく鉛筆ではこんなもんでいいだろうということにしました。ここで、描きこんでも、白黒の濃淡で表現するグリザイユでうまくいかなければしょうがないからです。また、口元などは、油絵の具の溶け込むような濃淡でなければ表現できない部分が多く、グリザイユでがんばることにしました。



 デッサンしてみて、フェルメールのすごいところがいくつが発見できました。
グリザイユするときの注意点として、書きとめておきたいと思います。
1.まず目です。手紙を伏し目がちに真剣によんでいるのですが、瞳などはなくシルエットしか分からないのですが、手紙の何行目のどこを読んでいるのかはっきりと分かります。この辺が表現できません。
2.口元ですが、後ろの壁に掛けてある地図に溶け込んで、はっきりと唇の輪郭が分かりません。しかし、唇がかすかに手紙を読んで動き出しそうなものとなっています。ここもどうしても表現できません。
3.首筋なんですが。この女性は妊娠しているのかボディー部分はすごくボリュームがあるのですが、首筋がすごくシャープでその線がうまく上着のなかに滑り込んでいます。この角度が微妙でうまく表現ができません。
4.後ろの地図の垂直線がめくりあがっているのか、微妙に斜めになっています。水平線も同様です。これが絵全体の自然さを出しているのかも知れないので、注意すべき点です。
5.地図の表面は、紙にしわがよってでこぼこしているが、それでも下の木の棒よって張力がかかっています。これを光の濃淡で表現しなければなりません。
6.他の小道具はすべて、椅子の枠でさえ、面取りされて丸みを帯びているのに、手紙だけは鋭利な刃物のように直線で描かれています。この絵の主役だからでしょう。ここを強調する必要があるようです。
7.後は窓が描かれていないのに明らかにその存在を想像させる壁の淡い光のグラデーションと青い輝き。これを表現できるでしょうか。

 とにかく、フランツハルスのように太い筆でさっさと描き上げたものではないことは確かです。細い筆で、デルフト焼きの絵付け職人のように少しずつ慎重に描いたことが容易に想像されます。グリザイユがんばろう。

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