欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

欠陥建築(欠陥住宅)…『注文住宅に多い漏電火災』

2013年03月10日 15時58分34秒 | 建築家(建築士)に用心




『天井裏に手抜きが多い! 漏電火災も起きやすい!』



ちょっと前に、東京の老舗そば屋が、漏電火災で全焼しました。

実は、屋根裏の「配線」が、絶縁不良で「火災」の原因になる事は、多いんです。


木造住宅の屋根裏を見てみると、無造作に電気配線が投げ出してある事が多いです。

これ、けっこう困った事なんですが、一般的な工事です。

おそらく、皆さんの家も、「そんな危ない状況」かもしれないんです!


特に、「注文住宅」にこう言うだらしない工事が多いです!


驚いた事に、「建築家」(設計事務所の建築士)は、電気工事の事をあまり良く

知らない場合が多いです。

工事監理で「建築家」が工事状況を確認する場合でも、屋根裏の電気配線の状況を

全く見ない事が多いです。


家の電気工事は、大工が行うのではなくて、ちゃんと国家資格を持った電気工事

専門の職人が行います。


その時に、少しでもずぼらして、安く、簡単に仕上げようとするから、ある程度

時間が経つと、漏電火災を起こす事になるんです。


今の法律では、10年以内に起きた瑕疵による損害は、業者側が負担する事にな

っていますが、「配線」の「絶縁部分の劣化」は、10年以上経って問題を、起

こします。


…時間差で「火災」と言う事故を起こしますので、法律上も非常にやっかいな

問題と言えます。



では、なぜ、配線の絶縁部分から、漏電によって出火する事があるのでしょうか?



…電気配線は何本もの「電線」を、複雑な電車の線路のように、ネットワークさせ

てあります。

その「電線」と「電線」を、つなぐ為に、電線表面の塩化ビニール皮膜を取り去り、

電線内部の「銅線」と「銅線」をより合わせて接続する事が多いので、「漏電」も

起きて来ます。



…そして、その「銅線」が露出した部分を、塩化ビニールデープで巻いて仕上げた

だけの工事が多いのです。


…塩化ビニールテープは、セロハンテープよりも少し丈夫な素材ですが、長期間の

絶縁材料としては、問題があります。

自然に、きつく巻いたはずの絶縁テープが、はがれて来たり、ネズミがかじって、

中の「銅線」がむき出しになる事も頻繁に起きます。


さらに、具合の悪い事に、天井裏には埃がたまりやすく、その埃が湿気をよんで、

「絶縁不良箇所」に漏電をおこさせ、「火災」を発生させます!



私が常日頃、大手住宅メーカーの住宅を勧めるのは、ほとんどの住宅メーカーは、

長期間の「点検計画」を持っていて、通常、屋根裏の配線部分の「絶縁箇所」も、

点検するシステムになっています。


これに対して、一般的な「設計事務所」の注文住宅では、ほとんどが建てっぱなし

の状態で、屋根裏の点検を頼むと、とんでもなく高額な料金を請求されます。



…しかも、この「漏電火災」と言うのは、関東電気保安協会や関西電気保安協会の

様な、公的な漏電検査にパスした住宅でも起きています。

つまり、「漏電火災」を防ぐ方法は、大手住宅メーカーがやっているような、定期

的に屋根裏を検査し、トラブルを起こす前に「絶縁材料」を交換するしか方法はあ

りません。


多くの場合、「漏電火災」を起こすと、火元が屋根裏の為に、発見が遅れて「全焼」

するケースが多いです!



「是非! 屋根裏にも注意してください!」

「注文住宅の屋根裏は、疑ってみてください!」


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