古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の八十三

2015年04月28日 06時04分12秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第十九頁、上の五~六行目

 

解読 物相調可申候得共、何レ茂難所山坂持運

    其上遠方日数永ク江田・有田江通ひ候義、

    甚以困入候義ニ御座候。

 

読み (小売り)物相調え申すべく候えども、何れも難所山坂持ち運び

    其の上遠方日数永く、江田・有田へ通い候義、

    甚だ以て困り入り候義に御座候。

 

解説 「小売物」・・・店で売っている商品。 「相調可申」・・・『あいととのえ申すべく』。買おうと思っても。 「候得共」・・・頻出する慣用句です。形で覚えましょう。 「何レ茂」・・・いずれも。どちらも。江田へ行くのも有田へ行くのも、田並浦を閉め出されたら。「茂」は変体仮名の「も」。 「難所」・・・通行困難な場所。 「山坂持運」・・・山や坂を持って運び」。 六行目、「其上遠方」・・・距離も遠い。 「日数永ク」・・・日数もかかる。 「江田・有田」・・・田並上村の西隣が江田浦で、東隣が有田浦になります。何れも山や峠を越えなければ行けません。 「江田・有田江通ひ候義」・・・江田有田へ通うのは。 「困入候義」・・・困ってしまう事態。 最後は「御座候」と書いています。ご参考までに付近の地図を解説文の上に挿入しましたのでご覧下さい。