愛丸のサッカー観戦記

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スロベニア-アメリカ(W杯 グループC)

2010-06-19 11:58:03 | 各国代表戦
観戦日 6/19(土)       

愛丸’s チェック
スロベニアはアルジェリアとの初戦を勝利で飾り、建国以来、初めてW杯で勝ち点3をゲットした。
名将と呼ばれる人たちが、絶賛するだけのことはある。
しっかりした守備と、鋭いカウンターがこの国の特徴。
組織だったプレーで、ブレがない。
この安定感があれば、グループ突破も夢ではない。
このアメリカ戦を勝つことができれば、一番最初にグループ突破を決めることができる。
アメリカは、このグループで一番の強豪と呼ばれるイングランドとドロー。
グリーンのミスからの得点だったが、それでも、追いついてのドローだし、チーム状態は悪くないはず。
ここをきっちりものにして、最終節で、グループ突破を決めたいところ。
イングランドとの対戦も終えてるし、気分的にも余裕があるはず。

スロベニアは、この試合でも自分たちの持ち味を発揮して、いいサッカーを展開した。
前半で2点を奪い、このままグループ突破を決めたかに思えた。
ここで手を抜いたり、気持ち的に抜く部分があったりと、そういった慢心的なものは伺えなかった。
それでも結果は2-2のドロー。
2-0の難しさを感じさせる試合だった。
アメリカの後半がかなりよかっただけで、スロベニアが途端に悪くなったわけではなかった。
ただ、1失点目はSBにミスから。
縦のボールにしっかり対応できてれば、あそこをドノバンに突破されることはなかったし、惜しまれるプレー。
あの失点で、また守りが強固になったんだが、時間の経過で、自慢の2ラインの間に開きが出てきた。
前半から飛ばしすぎたという印象もなかったが、やっぱり極限の中でプレーしてるし、疲労というものは出てくる。
ここをアメリカにうまくつかれてしまった。
選手層が厚いわけでもないし、このままやっていくのがベストと踏んだんだろう。
守れてる部分をいじるにもおかしい話だし、あとは選手のがんばりに賭けるしかなかったか。
ただ、ここで我慢できなかった。
このエリアでのこまかいパス交換には対応できてたんだが、2失点目を食らったときは、ロングボールからの攻撃。
アルティドールの落としに反応した一番近い選手にはマークはついてたんだが、その後ろから入ってきたブラッドリーが完全にフリー。
早い時間で、まだ全員が動ける時間だったら、マークもつけたかもしれんが、劣勢に立たされ、守る時間が長くなったところだったから、これも仕方ない。
攻撃では、2トップの運動量も豊富だし、中盤サイドのビルサとの連携もまずまず。
ビルサがなかなかのテクニシャンだし、ここからの攻撃はおもしろかった。
これにコレンでも加わればまだ厚みも出たんだろうが・・・。
2トップのどちらかに、もうちょっとテクニックがあると、おもしろさは増すんだおるが、それを今さら言ったところで・・・。
この戦いができれば、イングランドを苦しめることもできるはず。
最終戦が勝負。
アメリカも悪い戦いではなかった。
前半の2失点も誰かのミスというものではなかったし、その2点のビハインドを追いついたんだから大したもん。
とくに、後半に入ってのチーム戦術を変えてきたところに、この同点劇の要因が。
点が欲しい状況で、2トップからアルティドールの1トップに変更。
中盤に攻撃的な選手を増やしてきた。
前半を戦って、あの組織だったスロベニアの2ラインを打開するのは、この手だとB・ブラッドリーは考えたんだろう。
これが見事にはまった。
ドノバン、デンプシー、M・ブラッドリーが、果敢にバイタルエリアに進出し、前を追い越すプレーを披露。
これで、スロベニアのDFラインはかなり混乱した。
そこで、効いてきたのがロングボール。
ドノバンの突破からの得点も、M・ブラッドリーが飛び出してきて決めた2点目も、どちらも起点はロングボール。
バイタルエリアでのパス回し、選手のポジションチェンジへ目を引き付け、ここってところでは、ロングボールで勝負。
この攻撃は見事としか言いようがない。
これでアメリカは2試合ドローになったわけだが、どちらも追いついてのもの。
勝負強さと、粘り、諦めない気持ち、この大会を勝ちあがる上で、必要なことを備えてる。
この後の試合で、アルジェリアが敗退を決めてくれたら、アメリカのグループリーグ突破はかなり現実のものになる。
アメリカが、コンフェデに引き続き、ここ南アの地でミラクルを起こすかもしれん。

スコア 2-2

<得点者> 
スロベニア   ビルサ、リュビヤンキッチ
アメリカ    ドノバン、M・ブラッドリー    
~愛丸's MVP~
M・ブラッドリー(セントラルMFとして必要なものを全て高い次元で備えてる。あの飛び出しからの同点ゴールは見事だった。守備もこなすし、熱い魂も感じる)