たそがれ時のつれづれに

人生のたそがれ時を迎えて折々の記を・・思うままに

死刑について考える

2012年01月18日 | 日記

社会的なテーマもたまには。死刑について考えてみたい。

15日の新聞に名張毒ぶどう酒事件の死刑囚が86歳の誕生日を迎え、名古屋で支援者が再審開始と早期釈放を訴えたと出ている。
16日には内閣改造で就任した小川法務大臣が取材に応じ、2010年7月を最後に執行が無い状態が続いている死刑について執行すると明言したと報じている。

名張の死刑囚は35歳の時に囚われ、51年間死の恐怖におびえながら裁判のやり直しを求めている。この事件は古く裁判前に自供はしたが、裁判では一貫して無罪を主張し、一審では証拠不十分で無罪、控訴審、上告審で有罪死刑だったと記憶している。何故こうも長く後を引いているのか。パソコンを始めてネットなどで調べると圧倒的に疑問符、ほとんどが「シロ」、冤罪ではないかとする論調が多い。

であればもっと適切にタイムリーに再審開始とならないのか、と素人は思う。本人や家族がどんな思いで長い苦難の人生を歩むことになったのか・・自白は確かにあったのであろうが、数年前の郵政村木さん冤罪事件でも検察ストーリーによる、見込み捜査で犯罪者に仕立て上げられる構図が明らかになり、世間を慄然とさせた。
人間は弱いので拷問とは行かないまでも責め立てられれば、その場凌ぎの迎合をする生き物。国はおそらく名張の死刑囚を死刑執行はしないであろう。獄死、自然死を待つ、帝銀事件と同じような結果になるのであろうと思う。

似たような事件に袴田事件がある。死刑囚関係の有名なサイトには「刑部」と「漂泊旦那」「無限回廊」がある。刑部には爺投稿になる裁判傍聴記がアップされている。
6年ほど前、家から30分位の地方裁判所では珍しい死刑判決の裁判を傍聴した感想記のような粗末なものだ。裁判というものを始めて傍聴した。しかも死刑宣告を!これも刑部で裁判日時を知ったから。
感想を掲示板に書き込んだら、Doneさんという法学生の常連さんが、傍聴記にするよう掲示板で管理者に進言してくれ、管理者がそのようにまとめてアップしてくれ今に残っている。

このDoneさんはかっては盛んに傍聴記をアップされたし、専門的内容だが、久しぶりにブログを訪問したら昔読んだ多くの記事が削除されているように思えた。

死刑という刑罰を継続すべきか、否か、日本は先進国では数少ない野蛮国と世界から非難されてされている。
仏教講座で、ある牧師さんの講話を聞いた。「人を裁くなかれ」というテーマであった。質問時間に、肉親を殺されても死刑は良くないというのか、と詰め寄られた。回答はキリスト教は人が人を裁いてはいけない、裁くのは神である、「右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」という教えです。死刑という問題は大変難しいことなのです。と答えられた。

法務大臣でもかって僧籍にある人が就任し、死刑は執行しないと言明され在任中命令書に署名されなかった。そういう信念なら法治国家の主管大臣としては失格である。就任要請があったとき信念を述べ辞退すべきと思う。
千葉景子元法務大臣は死刑反対論者とされ、選挙で自らは落選したが引き続き民間人として登用され、在任期間内に執行命令に署名し、自ら刑死に立会い何人かを死刑にされた。その後刑場を報道公開して論議の手始めにされるなど、見識のある人物と思ったことがある。

過日の仏教講座では別の話題ながら、「差別は無くなりません。差別は秩序を維持する為の手段であるからです・・」と元大学名誉教授が話された。この差別が若し冤罪、死刑ではたまったものではない。

付録)16日の新聞では2010年発表の政府世論調査で死刑容認派が85%を超え、死刑囚は12日現在で130人を更新している。

死刑制度が犯罪の抑止力となるかは私は疑問視している、人を殺めるような者は、そもそもそんな理性は働かない異常人格者だと思うからね。

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿