「クールジャパン現象」を追うのに関係ありそうで、最近読んで面白かった本を挙げておく。それぞれ、近々、きちんとレビューをかくつもり。
★小笠原 泰『なんとなく、日本人―世界に通用する強さの秘密 (PHP新書)』題名からは軽い読み物という印象を受けるかも知れないが、実は本格的な日本文化論だ。これまでの日本論の成果を受け継ぎながらも新しい切り口で日本語や日本人を論じていてとても面白かった。日本人の、場や集団に依存する相対的な自己構造や、外来の文化をその歴史と切り離して結論だけ純化したり細切れにして取り込んでいく日本文化の特徴は、マンガやアニメに反映されているものと思う。
★東 浩紀『動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)』東 浩紀は、ポストモダンの代表的な論客だという。オタク文化の構造には、ポストモダンの本質がよく現れている。オタク文化の展開を世界的なポストモダンの流れの中で理解しようとする試み。私には、日本のサブカルチャーの展開を伝統と切り離して論じることで、著者が何か大切なものを見失ってしまったような気がしてならない。 この本も本格的に書評していみたい
★鳴海 丈 『「萌え」の起源 (PHP新書) (PHP新書 628)』東 浩紀の上の本とは逆に、日本のサブカルチャーを、伝統との密接な関係の中で論じており、興味深かった。私も、文化がたとえ伝統から切り離されたように見えようとも、少なくとも深層のレベルでは密接にからんでいるものと思う。 「チャンバラ小説や捕り物帳を書くこと」を本職にしている著者だけあって、そのジャンルとアニメ・マンガとの比較も面白いし、手塚治虫の特異な作家性が、その後の日本のマンガ界に与えた影響の大きさを強調している点も興味深かった。
★小笠原 泰『なんとなく、日本人―世界に通用する強さの秘密 (PHP新書)』題名からは軽い読み物という印象を受けるかも知れないが、実は本格的な日本文化論だ。これまでの日本論の成果を受け継ぎながらも新しい切り口で日本語や日本人を論じていてとても面白かった。日本人の、場や集団に依存する相対的な自己構造や、外来の文化をその歴史と切り離して結論だけ純化したり細切れにして取り込んでいく日本文化の特徴は、マンガやアニメに反映されているものと思う。
★東 浩紀『動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)』東 浩紀は、ポストモダンの代表的な論客だという。オタク文化の構造には、ポストモダンの本質がよく現れている。オタク文化の展開を世界的なポストモダンの流れの中で理解しようとする試み。私には、日本のサブカルチャーの展開を伝統と切り離して論じることで、著者が何か大切なものを見失ってしまったような気がしてならない。 この本も本格的に書評していみたい
★鳴海 丈 『「萌え」の起源 (PHP新書) (PHP新書 628)』東 浩紀の上の本とは逆に、日本のサブカルチャーを、伝統との密接な関係の中で論じており、興味深かった。私も、文化がたとえ伝統から切り離されたように見えようとも、少なくとも深層のレベルでは密接にからんでいるものと思う。 「チャンバラ小説や捕り物帳を書くこと」を本職にしている著者だけあって、そのジャンルとアニメ・マンガとの比較も面白いし、手塚治虫の特異な作家性が、その後の日本のマンガ界に与えた影響の大きさを強調している点も興味深かった。