BOXING観戦日記

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WBA・WBO世界ライト級暫定王座決定戦

2011-05-16 22:32:17 | Boxing
ロバート・ゲレロ VS マイケル・カチディス

ゲレロ 判定勝ち

考察 ~ゲレロ~

3ラウンドのダウン以外はパーフェクトとも言える内容。
実況はジョバンニ・セグラ、もとい序盤に両者のリーチ差を指摘したが、
ちょっと待て。
単純に腕が長い短いでパンチが先に当たり、
さらに相手のパンチが自分には届かないということはない。
ハンドスピードはもちろんのこと、タイミング、相手と向き合う角度、
相手の死角への移動、さらに各種のフェイントなど、
リードの取り合い、打ち合いには大まかに言ってもこれだけの要素がある。
たとえばリーチが身長より短く、さらに身長も階級に比して低いM・コットなどは
体格で大幅に劣るY・フォアマン戦でも、ジャブで常に優位を保っていた。
ハンドスピード、フットワーク、タイミング、フェイントの勝利で、
ゲレロにも同様のエッセンスが凝縮されているのが感じられた。
(対戦相手との兼ね合いもあるのだが)
現代ボクシングのサウスポーで真っ先に名前が挙がる面々は
マニー・パッキャオ、セルヒオ・マルチネス、ルシアン・ビュテとなろうが、
各人それぞれに突出したものを有しているので余人を以って代え難いが、
物真似の上手い粟生はゲレロの物真似に励んでもらいたい。

余勢を駆ってSライト、ウェルターまで上げると発言しているらしいが、
年齢、体格、ボクシングスタイルからそれも可能かもしれない。
リナレスとの激突はまだかまだかと2年ぐらい待ちわびているのだが、
GBPには早く実現してほしいもの。


考察 ~カチディス~

J・ディアス戦を別にすれば、カウンターパンチャーに悉く敗れているが、
まるでジャンケンのようだ。
序盤は遠距離でやたらガードを気にしていたが、
そのガードは効果的には機能せず、ジャブをビシバシ当てられ、
もぐりこんではアッパーを喰った。
またワン・ツーだけでなく単発の左ストレートも面白いようにもらった。
完全にジリ貧のままストップされる展開も頭に浮かんだが、
中盤以降はボディ攻撃に冴えを見せ、ローブローも交えつつ勝負になっていた。
ここからは完全な揣摩臆測となるが、カチディスはパンチに酔っているのではなかろうか。
矢吹ジョー的な意味ではなく(もちろんその要素も含むのだが)、
パンチをもらうと気持ちよくなり、体がほぐれてくるというか、
頭で考えていることを体で実行しようとしても、なかなか出来ないが、
パンチで意識がぼやけてくると練習どおりの動きができるようになるとでもいうか。
もはや頭や顔面に熱がこもるとか、体の節々が痛いとかいうのを通り越して、
眠気がするとかまぶたが重いという状態で闘っているように思えてならない。
引退後にコラレスのような交通事故を起こさなければいいのだが。

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