BOXING観戦日記

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WBC世界ミドル級暫定王座決定戦

2009-08-18 00:15:49 | Boxing
セバスチャン・ズビック VS ドメニコ・スパダ

スビック UDで勝利

考察 ~ズビック~

ズビックを以下のように表現することに抵抗を覚えるが、
徳山昌守からあらゆるアウトボクサーの特質を除いたようなボクサーだ。
頭を下げ過ぎの左フックは相手の動きを捉えきれていないことを物語り、
右を当てて正面からクリンチに行く様は二の矢三の矢を番えていないことを意味する。
迎え撃つ右はアッパーであれストレートであれ、打った軌道そのままに引き、
サイドステップあるいはボディワークで相手の射程またはパンチをはずすべきだ。
5ラウンドからのクリンチの多用も見苦しかった。
また徳山を例に出すが、クリンチに行くならばフェイントで相手のフックを誘い、
それをダックでかわす、そこから左ボディあるいは右ストを伸ばすようにして
相手の脇の下に自分の頭を持っていき、組みつくのではなく前に歩く。
これもこれで日本では顰蹙を買ったスタイルだったが、
レフェリーに注意されることは全くと言っていいほどなかった。
注意しようにも注意できないクリンチの仕方だからだ。
不可解な暫定王者が誕生したが、いくらドイツ人でもこのボクサーは評価できないだろう。
12ラウンド終了直後の高柳氏の「ひどい展開になりました」という叫びが
この試合の全てを物語っている。

考察 ~スパダ~

かつてのアマの古豪イタリアからの刺客だったが、
これで暫定とはいえ世界タイトルを争ってもいいのだろうか。
ミドルという階級、ヨーロッパ出身でこの旺盛な手数は買いだが
ウーゴ・ガライと同じ匂いが感じられる。
打ち始めると止まらないが、打つ前にカウンターを入れられる場面が多く、
トップ戦線にまで登って来れても、そこから先へは進めそうにない。
クリンチしてくる相手に対して無策だったとも言える。
言うは易し行うは難しと分かっていても、
ツー・ワン、もしくはダブルトリプルのジャブが必要で、
真っ直ぐ下がる相手を真っ直ぐ追いかけるだけでは芸がない。
追い立てると追い詰めるの違いは四角い空間を円く使えるかどうか。
目、ステップ、肩を入れるフェイントなどで相手をコントロールできるかどうかが
愚直と不器用の分かれ目となる。

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