BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

2009年 RECAPITULATION

2009-12-29 01:07:53 | Boxing
☆ Fight of the Year ☆

○WBA・WBO世界ライト級王座決定戦 ファン・ディアス VS ファン・マヌエル・マルケス
マルケス 9ラウンドTKO勝利

初回から試合終了までtop notchのドツキ合い。
連打と圧力の若武者と老獪にして稀代のカウンターパンチャーの対決は
ボクシング名勝負史に確実に記された。
ベテランと若人の意地とプライドのぶつかり合い以上に
技術、スタイル、コンディション、戦術の妙をたっぷりと味わうことができた試合で、
年間最高試合の栄に浴するに充分。
管理人「涼しい木星」は塩試合が大好きだが、
手に汗握る攻防白熱の試合も好きなのだ。

次点:ミドル級12回戦 ポール・ウィリアムス VS セルヒオ・マルチネス 
ウィリアムス 判定勝利

次々点:WBC世界ヘビー級タイトルマッチ 王者 ビタリ・クリチコ VS 挑戦者 ファン・カルロス・ゴメス
クリチコ 9ラウンドTKO勝利


☆ Knockout of the Year ☆

○The Battle of East and West マニー・パッキャオ VS リッキー・ハットン
パッキャオ 2ラウンドTKO勝利

HBOの実況が"There is no way Hatton can make it up from this!!"と
絶叫していた通り、あんなの喰らったら立てませんがな。
脳味噌はこうやって揺らせ、というお手本のようなワンパンチノックアウトで、
あれで脳に器質的損傷が生じていないわけがない。
脳は人体で最も重要な器官で、一般には脳細胞の特異性は理解されていない。
細胞の障害と治癒について脳と人体の他の部分ではシステムが異なるのだ。
ハットンの無事を祈ったと同時に、いつかさらに勉強して、
脳にダメージを与える危険性とそのことのボクシングにおける不可避性・必然性をものしてみたい。
うーむ、俺はなんでボクシングファンなんかやってるんだろうか?

次点:WBC世界Sバンタム級 王者 西岡利晃 VS 挑戦者 ジョニー・ゴンサレス
西岡 3ラウンドTKO勝利

次々点:WBC世界バンタム級タイトルマッチ 長谷川穂積 VS ブシ・マリンガ
長谷川 1ラウンドTKO勝利

SUPER SIX Stage 1 アルツール・アブラハム VS ジャーメイン・テイラー
アブラハム 12ラウンドTKO勝利


閑話休題。

ジョーよ、王者の敵地KO防衛で渡辺二郎を引き合いに出すなら
徳山昌守を忘れないで欲しかった。
国籍なんか関係ないやん…


☆ Decision of the Year ☆

○ OPBF東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ 
王者 細野 悟 VS 挑戦者 榎 洋之
細野 判定勝利

新鋭がベテランを喰うのは日常世界のどこにでも転がっている風景で、
スポーツの分野では特に顕著だ。
だが、それがボクシングとなるとそこに生まれる勝者と敗者のコントラストは
歓喜と哀愁の度合いをいや増すことになる。
接戦の末の判定ならばなおさらだ。
榎というボクサーの生き様を少しでも知るものならば、
キャリア3敗目となったこの試合の判定を聞いた瞬間、
胸に様々に去来するものがあっただろう。
だからといって細野が敗者になってめでたしめでたしともならない。
採点競技はつくづく難しい。

次点:WBA世界ライト級タイトルマッチ 小堀佑介VSパウルス・モーゼス
モーゼス 判定勝利

次々点:WBC世界フライ級タイトルマッチ
王者 内藤大助 VS 挑戦者 亀田興毅
亀田 判定勝利


☆ Upset of the Year ☆

○ WBO世界ウェルター級タイトルマッチ 王者 ミゲール・コット VS 挑戦者 マニー・パッキャオ
パッキャオ 12ラウンドTKO勝利

井岡一翔を見て「こいつは10年後にウェルターを獲る」と予感できるだろうか?
それぐらい異次元のachievementである。
序盤からパンチを交錯させあいながら、
なぜか失速していくのはSライト上がりのコットだったという衝撃。
インタビューでは「ホントは痛かったんだよ」と笑っていたが、
この男のどこがordinary fighterなのか。
これを番狂わせと言わずしてなんとする。

次点:SUPER SIX Stage 1 ミッケル・ケスラー VS アンドレ・ウォード
ウォード 11ラウンド負傷判定勝利

次々点:WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ
王者 ホルヘ・リナレス VS 挑戦者 ファン・カルロス・サルガド
サルガド 1ラウンドTKO勝利


☆ MVP ☆

○ マニー・パッキャオ 

他に誰か候補がいるのだろうか。
ハットンを葬り、コットをなぶり殺した今年は、
フィリピンのみならずアジアの、いや世界のボクシング史が
過去の歴史を掘り返し、そして新たな歴史の1ページを書き加えた。
イチローのメジャー最多安打記録更新の時にもそんな雰囲気があったが、
もうアスリートとしてはイチローは越えただろう。
残すはメイウェザーしかいないのだが、
ドーピング疑惑で現在交渉は頓挫中(終わってしまった?)。
ステロイドがどーたらこーたらと言われているが、
個人的にそれはないと確信できる。
その根拠については来年早々に気が向けば長文で書いてみたい。

次々々々々点:西岡利晃 

次々々々々々点:長谷川穂積 & 小堀佑介

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kimufumi)
2009-12-30 13:00:48
どうも、いつも楽しく読ませてもらっております。
よければDecision of the Yearで小堀vsモーゼスと内藤vs亀田を選んだ理由を聞かせてもらえますか?
どちらも盛り上がりに欠ける展開だったと思いますが・・・ってそれが理由でしょうか?
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Unknown (涼しい木星/管理人)
2009-12-30 15:30:21
kimufumi様 - 毎度どうもです。

盛り上がりを感じる部分は人それぞれに様々に異なると考えます。また同じ人間であっても、その時々の気分によってもexciteさせられる部分は違ってくることでしょう。

当然ながら、判定勝利は当初から意図せざるものと意図したものとがあります。モーゼスvs小堀はモーゼスの様子見、打ち合い、逃げ切りという試合中のchange of intetionが光った試合だと感じましたし、内藤vs亀田は興毅が最初からKO度外視、ポイント荒稼ぎというゲームプランを忠実に実行したものと映りました。どちらも見所がありましたよ。方針をスパッと切りかえる、あるいは頑固に守り抜く。それができないボクサーのなんと多いことか。どちらのポリシーも私的評価は高いです。
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お久しぶりです! (バスケスファン)
2010-01-09 11:20:24
ボクシング・オタク!  になり、まだ一年足らずのにわかファンですが衝撃的な試合を沢山見れた気がします。
パッキャオ選手あれはまさに化け物ですね!    メイウェザー選手との試合は流れてしまったみたいですけど!        日本人選手の活躍もすごいですね!西岡選手対マルケス弟選手の試合はすごく見たかったです!まぁ全部ふくめてボクシングだから仕方ないですね!
個人的にマルケス弟選手対バスケス選手4はやらなくても・・・年齢的・ダメージ的・金銭的なものがありなかなか難しいかもしれませんが二人にはほかの選手と試合して欲しかったです!まぁ絶対みてしまいますが!あと、以前木星さんのPFPランキングにノミネートされていたS・マルチネス選手この選手いったいなんなんですか!一言いうとスタイル、ルックス、住んでる場所(マドリード)全てが合体したまさに規格外の選手ですね!アルゼンチン好きの田中トレーナー(帝拳)もS・マルチネスのボクシングが好きだ!とゆっていましたが自分も大好きになりました!ここ2戦運に見放されていますが、今年は頑張ってほしいですね!(頑張れとゆう表現似合わないけど・・)    ちなみにP・ウィリアムス選手との試合すごかったですけど判定が・・間柴対木村(はじめの一歩)のドラゴンフィッシュブローがまさっていたような試合に見えました!
すいません!長くなりましたが今年も素晴らしい記事を沢山上げて貰うことを勝手に願いたまにコメントもおじゃまさせて頂きます!
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Unknown (涼しい木星/管理人)
2010-01-10 20:57:13
バスケスファン様 - 明けましておめでとうございます。

セルヒオ・マルチネスはcoolですよね。私もアレックス・ブネマ戦で一目惚れしました。色んな動画共有サイトで彼の試合を探しまくりましたが、あまり数がないのが残念です。そうそう、来月には件のポール・ウィリアムス戦がWOWOWで放送されますので要チェックです。ジョー小泉はあの試合をどう採点するのでしょうかね。
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