BOXING観戦日記

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NABO北米S・ミドル級王座決定戦 アンドレ・ディレルVSビクトル・オガノフ

2008-11-25 00:33:30 | Boxing
ディレル 6ラウンドTKO勝利

ディレルよりもダーレルじゃないの?という疑問はさておき、
左右のどちらのスタンスからでもしなりの効いたジャブが放て、
フットスピードも申し分のない選手だ。
自分の距離とタイミングになればいくらでも連打できるが、
かぶられたわけでもないのに膝をついたり、ローブローをアピールするなど、
メンタル面の弱さというか未熟さも目に付いた。
フットワークとハンドスピード、そしてリーチの差であらゆるレンジを支配したが、
まだ本当の意味では試されていないという印象。
相手に背中を向けるのはスピード差から来る余裕の成せる業か、
それとも相手を舐めていたからか。
相手を呑んでかかるのは結構だが、見下して戦うのは失礼千万。
今後も目にする機会はありそうだが、そのあたりを見極めたい。

destroyerという異名にふさわしい戦いはできなかったが、
その戦い方の片鱗は見て取れた。
親父と一緒に観ていたのだが、父曰く「まるではじめの一歩やな。」
自分が受けたfirst impressionもまさにそうで、
このオガノフ、相手の懐に入らなければ何もできない選手だ。
デンプシーロールを身につける前の一歩を実写化したらこんな選手になるのだろう。
オーストラリアでジェフ・フェネックに師事しているそうだが、
それよりむしろアルメニアンボクサーの特徴を強く感じさせる。
アブラハムの攻防分離、ダルチニャンの変則強打、そしてオガノフの頑固一徹、
という、とにかく自分のボクシングを信じて突き進むのみ。
少々パンチをもらおうが、どこまでもしつこく獲物に喰らいつき、相手が根負けするまで打つ、
というスタイルであることは十分に理解できた(実践できなかったが)。
敗色は確かに濃厚だったが、あのタイミングでストップされるのなら、
幕ノ内一歩のキャリアは今頃、勝ち星と黒星が並んでいるだろう。

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