ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

40年前の知人と本で再会

2009-08-21 08:31:56 | 日記・エッセイ・コラム

 40年前に何かとお世話になった御殿場でおすし屋さんを経営する女将さんから手紙を頂き、ある雑誌に自店の取材記事が載っているので、よかったら開いて見て、と書いてありました。早速本屋さんに行き、ちょっと立ち読みをさせてもらいました。椎名 誠氏の取材ですから一気に読ませてくれます。

 この本を通して実に40年ぶりに女将さんと再会しました。入り口に立つ女将さんとそのご主人、それに跡継ぎの息子さんとご夫人がにこやかに写真に納まっていました。店は当時に比べ、どっしりとした風格のある店に変わっており、入り口の屋根には大きな樹の板に「創業 昭和十年」と掘り込まれた看板が掲げてあります。立派になったんだなあと感心しながら読み進みました。

 40年前、ぼくはこの店の近くの研修所でおよそ1年近く、研究生として10名ほどの仲間と滞在していました。勉強が終わるとよくこの店に行ってはわずかな小遣いをはたいて気炎をあげていました。そのときから既に若き女将さんだったわけですが、ぼくたちのわがままを良く我慢して面倒を見てくれていました。

 いわば青春時代の思い出の一ページでもあったのです。寿司屋の家庭に生まれ、まさにお寿司と共に歩んでこられた方で、椎名 誠氏は「気風のいい明るい女将さん」と書き記していましたが、あの当時から才長けた方だったように思い、少しも変わっておられないのだと懐かしんでいました。

 この11月にはかつての研修所で会議があるので、再会ができたらと思っています。人の繋がりは刻とともに薄れていくものですが、何年経っても絆を持てることにとても感謝を覚えます。人を大切にするというのは、この人ともう一生会えないかもしれないという思いで接することかも知れません。

 立ち読みで申し訳なかったのですが、その記事だけは頭に入れ、再会を楽しみにしておきたいと思って立ち去りました。

やさしいタイガー