既に紹介したソロプチミスト主催のユースフォーラムについては少し話しましたが、会場に行く途中、磐梯山のふもと猪苗代湖の側に立つ野口英世の生家を訪ねました。英世が1歳半のときに囲炉裏に落ちて大やけどを負った所、上京して医学の道に進むと柱に刻み込んだ文章、など往時を偲ぶ家がそのまま残されていました。
野口英世は1876年(明治9)11月9日に生まれ、19歳までこの家で過ごしました。一生懸命覚えた母シカのたどたどしい手紙は一日千秋の思いで息子の帰宅を待つ愛情の深さを胸に差し込んでくるようでした。
小学生のころ、教科書で学んだ野口英世の歩みは今でも心のどこかに残っていますし、三田佳子が苦労する母の姿を演ずる映画を思い出していました。小さな寒村から生まれて世界的英雄となった大人物を誰もが尊敬し、忘れることはありません。
あわただしい旅の途次、貧しい中にも初志を貫いて医学の道に進み、そして最後は自らの研究の犠牲になって殉職した英世の生涯は、巷間いわれる裏の部分があるにしてもこのような優れた研究者が生まれるように一緒に訪ねた高校生たちに期待したいとふと現実に戻ってしまいました。
やさしいタイガー