ブログ人 話の広場

日頃の生活のなかで見つけたことなどを写真もそえて

レイ・チャールズ特集

2009-07-08 12:00:58 | 日記・エッセイ・コラム

 月曜日はいつもレギュラー放送の日。30度を越す高温のスタジオの中で1時間籠の鳥になって放送をしています。「一度レイ・チャールズの音楽を聴きながら話してみたいですね」とディレクターに話したところ、目の前のCDの山を指差して「ここにレイのCDがありますよ」との返答。即座に取り上げることを決定し、家に帰って資料を調べ、放送前日にシナリオを完成させました。

 真っ黒なサングラスをかけ、体を大きくゆすって演奏するレイの吹き出る汗を思い出しながら無事放送を終えることができました。幸いなことにかつてレイの映画を観てその感想めいたことをホームページに乗せていたものですから、それを下地にして数曲かけて僕も放送を楽しみました。映画は2004年に上映されたのですが、その年にレイは生涯を終えています。

 レイを演じたジェイミー・フォックスをみたレイは「君は僕の跡継ぎだ」といわせるほどの名演技でアカデミー主演男優賞をうけています。放送をしながら黒人であるレイチャールズの波乱に富んだ人生は多くの子どもと孫に囲まれ、幸せだったと思わせると最後に僕は話して終わりました。

 放送を終えて帰宅すると家のまん前でいつも親しくしているY子さんが大きな自動車を止めて妻と話していました。「レイチャールズ聴きましたよ。」と早速声をかけてくれました。どうも僕のイメージとレイチャールズが合わないようで驚きの感想を聞かせてくれました。ありがたいリスナーです。

やさしいタイガー


高齢者も節度あるマナーを

2009-07-08 11:32:31 | 日記・エッセイ・コラム

 先日バスに乗っていたら途中から杖を突いた高齢の方が乗ってきました。あいにく空いた席がなく、専用席も該当者で満席。結局次のバスストップまで片手は柱を摑み、もう一方は杖を頼りにたつことになってしまったのです。その間、このご老人は時々まるで「どこかの人間よ、席を譲れ」といわんばかりに杖をコンコンと床を叩いているのです。はじめは近くの乗客はちらりと見ていたのですが、一向に席を譲って上げる気配もなく、重たい空気が流れました。  僕も立っていたので、[できたら譲ってあげたらいかがですか」ともいえず、イラつきの中で次のバス停でやっと専用席以外がひとつ空いたので、やれやれといった表情で座ったのです。

 何かほっとした気分と床をコンコンとたたく音にぼくは不快感を持ってしまいました。確かに座りたいという思いはよくわかるのです。僕がそうですから。でもいかにも催促するような(そんな気持ちで床をたたいていたのではないかもしれませんが)態度は周囲の反発を買うようなものです。

 いったい日本人はやさしさのないお構いなしの人種なのか、いつもそんな場面に出会うと考えてしまいます。ほんの十分ほどの時間でも僕らのような人間が乗ってくれば、どこからともなくさっと席を立って譲ってあげる相手への気遣いや思いやりがほしいなあと思ってしまいます。やりきれない今の日本の社会、いつも無差別な殺傷行為を見て、日本の社会そのものに根付いた深い傷に癒しの手が打たれないために、冷たい人間を作るのかも知れません。

やさしいタイガー