月曜日はいつもレギュラー放送の日。30度を越す高温のスタジオの中で1時間籠の鳥になって放送をしています。「一度レイ・チャールズの音楽を聴きながら話してみたいですね」とディレクターに話したところ、目の前のCDの山を指差して「ここにレイのCDがありますよ」との返答。即座に取り上げることを決定し、家に帰って資料を調べ、放送前日にシナリオを完成させました。
真っ黒なサングラスをかけ、体を大きくゆすって演奏するレイの吹き出る汗を思い出しながら無事放送を終えることができました。幸いなことにかつてレイの映画を観てその感想めいたことをホームページに乗せていたものですから、それを下地にして数曲かけて僕も放送を楽しみました。映画は2004年に上映されたのですが、その年にレイは生涯を終えています。
レイを演じたジェイミー・フォックスをみたレイは「君は僕の跡継ぎだ」といわせるほどの名演技でアカデミー主演男優賞をうけています。放送をしながら黒人であるレイチャールズの波乱に富んだ人生は多くの子どもと孫に囲まれ、幸せだったと思わせると最後に僕は話して終わりました。
放送を終えて帰宅すると家のまん前でいつも親しくしているY子さんが大きな自動車を止めて妻と話していました。「レイチャールズ聴きましたよ。」と早速声をかけてくれました。どうも僕のイメージとレイチャールズが合わないようで驚きの感想を聞かせてくれました。ありがたいリスナーです。
やさしいタイガー