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一生使わぬ言葉

2024-01-09 10:19:08 | 出久根達郎さん
出久根達郎さんの『出久根達郎の古本屋小説集』(筑摩書房)を読んでいる。



その中のこのページに驚きま した。

出てくる言葉にです。
凄いですね。
「憫察」「尊翰」「蕪雑」「弁疏」「感佩」など。
わたしなんかは一生使わないのでは?と思うような言葉です。
昔の知識人は偉いですね。

その隣のページにこんなことが。
《彼は貧しい家庭の少年でした。小生の生家は精米業でかたわら食品を販売しておりました。毎日彼が使いで乾麺を一把ずつ買いにくるのです。中本の一家は米を食べたことがないのだと小生は思い込んでいました。》
ここを読んで昔を思い出しました。
わたしが子どものころですからもう七十何年も昔です。
父親が米屋をしていました。そこに近所のSさんの家の子どもが使いにやってくるのです。
「お米一升と麦一キロください」と言って、鍋を差し出すのです。。
ご夫婦と子ども6人の8人家族が6畳一間に暮らしておられました。
お米一升と麦一キロを混ぜて持って帰るのです。
これを炊くと、すべてが麦に見えてしまうと思います。
そんな時代がありました。

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