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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

だれに読ませる?

2023-09-12 14:44:21 | 本・雑誌
『読売新聞で読む明治』(出久根達郎著・中公文庫・2007年刊)です。



「為になる事をわかりやすく」の項にこんなことがかかれている。

《若き日の咢堂・尾崎行雄が、諭吉に、著述の心構えを、たずねた。
君は誰に読ませるつもりで書いている、と反問された。すでに何冊か世に送り出していた尾崎は、得意げに答えた。「大方の識者に読ませるためです」
諭吉が一笑に付した。「猿に読ませるつもりで書け。世の中はそれでちょうどよいのだ」
ひと握りのインテリ層に、喝采されるような難解な書きぶりは駄目だというのである。
「障子の向こう側にいる下女が聞いても意味のわかる」ように書いてこそ、意義がある。
(略)
むずかしい言葉を使うのが、この時代の主流であったから、あえて、むずかしい言葉を避け、優しく説いた読売新聞の出現は、画期的であったのである。》


『コーヒーカップの耳』 猿が読んでも笑って泣ける本。
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