喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『現代川柳』第9号(通巻92号)2024年春号

2024-04-26 10:32:32 | 文芸
『現代川柳』第9号をお贈りいただきました。


122ページたっぷりと楽しめる季刊誌です。
門外漢の心に留まったいくつかの句を紹介します。
素人ですので、アンテナの感度は不明です。


「月の抄」より。

  坂道の向こうに浮いた地平線       野上藪蔵
  キャベツだけ食べるキャベツの中の虫   石川街子
  口止めをしたが気になり寝付けない    岡部房子
  呼び捨てにしたい人いて春近し      小田切南
  積み上げた積木 最後に蹴っ飛ばす    小田切南
  あっという間の還暦なんて遠い過去    片山浩葉
  手足も口も動きみそ汁 掌を合わせ    岸本きよの
  地下鉄よ心の耳が聞こえない       久保奈央
  日にち薬の効いているのか効かぬのか   近藤ゆかり
  忘却の裏には老いが胡坐かく       中野文擴
  みんなって誰だ みんなは応えない    小林康浩
  お先にとひらりといってしまったよ    中山千都子


「星の抄」より。

  恥じらいが薄れた頃に分かる恥      小田寸思
  表札がない隣の人はだれなのか      鈴木厚子
  入選句知らせばうまい息子の返句     野口多可
  万歩計一老人を連れ歩く         仲あつし
  呆け防止母に小言を言わせます      山田えび助
  涙なんか捨てたんちゃうんか知らんけど  中野文擴
  人感のライトが点いた 生きている    門前喜康
  この街に慣れる解け込む喫茶店      林操
  息子から差し伸べられた武骨な手     宇田ミドリ
  考える老後どうするもう老後       小原おにぃ

あくまでも川柳には素人ですので句の良否は解りませんが。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 探求する人・小林久隆さん | トップ | 近づきました。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

文芸」カテゴリの最新記事