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「劇場」又吉直樹と歯医者さん

2017-03-13 16:38:50 | 本・雑誌
先日買った本、「新潮」の又吉直樹「劇場」だが、出だしの5行だけ読んでいた。


《まぶたは薄い皮膚でしかないはずなのに、風景が透けて
見えたことはまだない。もう少しで見えそうだと思ったりもす
るけど、眼を閉じた状態で見えているのは、まぶたの裏側
の皮膚にすぎない。あきらめて、まぶたをあげると、あたりま
えのことだけれど風景が見える。》


なんということのないような文章だけど、小説の導入として上手いと思う。なんかいい。
と印象に残っていた。
で、今日は午後歯医者さんだった。
治療はすでにこの前に終わっていて、今日は女性医師による歯石取りと、院長さんの最終診察。
眼を閉じて女性医師に委ねている時にフッと「劇場」の出だしを思い出した。
もし、眼を閉じているのに、風景が透けて見えたら恥ずかしいなあと。
眼を閉じているわたしの顔のすぐそばに彼女の顔があり、その眼が真剣に見開かれ、わたしの口の中を覗いていると思ったら恥ずかしくて仕方がない。だって、彼女は若くて美人だから。
まぶたは薄い皮膚だけど、外が見えなくてよかった。
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「六甲」3月号

2017-03-13 14:13:55 | 文学
短歌誌「六甲」だが、今月号が届くのが遅くて心配し、問い合わせて送ってもらいました。
なにか手違いがあったようです。

わたしがいつも注目している、田岡弘子さんと牧野秀子さんの作品。
都合よく並んで載っています。
田岡さんのは上品なユーモアが漂ってますねえ。
短歌は門外漢のわたしがいうべきではないのかもしれませんが。
「青春といふ幸せな文字二つ山のあなたに住まわせゐたり」
微かな色気さえ漂わせて、上品です。

牧野さんのはいつもながら景色がよく見えます。
今回のは特に大きな景色が。
海外旅行の成果ですね。

これはIさんの随筆。←二段階クリックで。
「傷痕」です。
難しい漢字がたくさん使ってあって、読むことは出来ても、わたしはとても書けません。
試しに孫のkohに読ませてみました。
間違ったり、読めなかった文字が5,6字ありました。
5年生としてはまあ上出来でしょうか。
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