足立巻一(けんいち)先生が古い『神戸っ子』に連載された「非悪童物語」だが、全27回すべてに津高和一さんが挿絵を描いておられる。
それもなかなか面白い。
第5回目にはこんなのが。
上の絵、「巻一、五十四歳像」とあります。
54歳は足立先生の当時の年齢ですね。
この原画、残ってるのかなあ?
しかも、下の写真(足立先生の赤ん坊)に津高さんがキャプションをつけておられるが、
なんと、「この憎たらしい初老の男もあかんぼうのときはやはり泣いていたとは…」とある。
足立先生と津高さんの仲がわかるというものだ。
そういえば、足立先生、亡くなられたときに継続中だった読売新聞連載「日が暮れてから道は始まる」の挿絵も津高さんだった。その年の年末まで続く予定だったのだが、そのころ体調が悪かったのは津高さんの方で、足立先生は津高さんに「これで今年いっぱいきみも死なれへんで」と笑っておられたというのだ。ああ…。