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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

何度ものバカ

2023-08-14 09:17:16 | 本・雑誌
もう何度こんなことをしたか!
ある本を探していたら、「あれ?」と目に入ったのが、ついこの前買った本。
出久根達郎さんの『百貌百言』。



もう随分前に買っていたもののようだ。
まあ、よくあることだが、今回はちょっとたちが悪い。
先日買ったのをわたしは初めて読むように読んでいる。
前に読んだはずなのにすっかり忘れているということだ。
買ったことを忘れていたのは仕方ないとして、その内容まですっかりと忘れているようでは…。
しかし、おもしろい本だ。
今読んだところにはこんなことが。
手塚治虫さんについてのところ。
作家の星新一さんのコメントが紹介されている。
《文学や映像への影響だって計り知れない。こういう人はめったに出ませんよ。その彼に何の報酬があったでしょうか。文化勲章も出なかったし、芸術院会員にもならなかった。日本って国は文化の価値を見極める力がないんです。》

『触媒のうた』出久根さん推薦の本。
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稲泉連さんの取材スタイル

2023-08-11 10:09:26 | 本・雑誌
今、基本的に読んでいる本はこれです。
ちょこちょこほかの本を読みながらですので、なかなか進みません。



『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死』(稲泉連著・中公文庫・2007年刊)。
元々は中央公論新社から2004年に単行本が出ています。
稲泉さんは1979年のお生まれ。お若いです。
この本を書かれた時はまだ二十歳を過ぎて間もない頃。取材に時間を要しておられます。

今、4分の1ほどのところを読んでいるのですが、取材力が素晴らしいです。
浩三のお姉さんへの取材、描写力も素晴らしいし、著者の心の動きも興味深く読みごたえがあります。
評伝文学にもいろいろありますが、これはこの稲泉さん独特のものでしょう。




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思いのほか、いい本の予感

2023-08-10 08:52:54 | 本・雑誌
『#みんな大好き能見さんの美学』ですが、読み始めて見ると、思いのほかいい本の予感がします。



阪神から戦力外通告を受けたあと、何チームからかの誘いがありオリックスに決めたのだが、それはコーチ兼任だった。
それが能見さんにとっては良かった。
こんなことが書いてあります。
《引退を決めた理由は、選手たちの成長を「うれしい」と感じるようになったことです。》
《オリックスにはもともと能力の高い投手がたくさんいました。チームとしてうまく機能せず、僕が入る前は2年連続最下位。(略)
ただ、僕自身そこまでオリックスの選手たちのことを知らなかったので、40歳を超えているとはいえ、まだまだ戦力として働けるだろう、コーチ兼任ではあるけれど、選手としても拾ってもらった恩返しはできるだろうと思ってました。ところが「あれ?自分がいなくても大丈夫だな」1年目のキャンプで気づいてしまったのです。そこからのスタートだったので、1年目のシーズンを終えて「引退」を決断したのは自然なことでした。》
しかし能見さんは、その年限りで引退せず、もう1年現役を続けます。選手としても役立ちたいと考え、トレーニングもしながらコーチの方に比重を置いてのことでした。
まだ、読み始めたばかりですが、能見さんの人柄が伝わって来ます。同僚選手の多くに慕われた理由もわかるような気がします。

追記 今日一日で読み切ってしまいました。300ページ近く。
多少毒のある実名での秘話もあり、面白かったです。


『触媒のうた』 能見選手の故郷、出石のちょっといい話も載ってます。
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自叙伝というものは

2023-08-09 19:09:20 | 本・雑誌


『牧野富太郎自叙伝』ですが、終わりの方は斜め読みです。
要するに面白くない。
しかもこの本は編集もよくなくて、重なる記述がいっぱい出て来る。
宮崎翁も「自叙伝というものはいいのがないですね」とおっしゃっていたがその通り。
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英語を便所の中で覚えた話

2023-08-09 11:51:22 | 本・雑誌

牧野富太郎の自叙伝を読んでいて、
「そんな馬鹿な!」と思った所があった。

《池野は頭の良い男で、フランス語が上手だったが、英語も一寸の間に便所の中か何処かで簡単に憶えてしまった。》

とんでもない話。
いくら頭が良くても!と思った。
が、しかし、わたしのお師匠さんだった宮崎修二朗翁は「コンサイス英語辞典」を一年かけて丸暗記したとおっしゃっていた。
これも信じられないが、世の中にはそんな人がいるんですね。
ちょっとズルイな。

『触媒のうた』 本物の博覧強記の人、宮崎修二朗翁が語る文学史秘話。この記憶力にはだれもが吃驚。
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借りてしまった

2023-08-08 20:10:03 | 本・雑誌
夕方になってから図書館に。4300歩。
ほぼ陽は陰っていたのですが、やはり暑かったです。
お借りしたのは『牧野富太郎自伝』。朝ドラを見ていて、読んでみたくなって。



申し込みをしておいたのが「準備ができました」とのメールがあり、
次の人が待っておられるでしょうから行ってきました。
出久根達郎さんの『百貌百言』には牧野の一生が簡潔に、しかし愛情を持って書かれていますが、やはり、もう少し詳しく知りたくて。
読まねばならない本がたくさん溜まっているのに。
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『新解さんの謎』という本

2023-08-02 09:19:23 | 本・雑誌
本はいっぱい併読しているが、そのうちの一冊。



『新解さんの謎』(赤瀬川原平著・文春文庫・1999年刊)。
「新解さん」とは「新明解国語辞典」という辞書のことである。
わたしも宮崎翁に勧められてこの辞書は所持していて、店の本箱に置いている。
特に面白いという第4版を。
これの「恋愛」という項目は有名だが、ほかの言葉の解説も超ユニーク。
辞書にあるまじき?解説が載っている。
今パッとこの『新解さんの謎』を開けたところがこのページ。

三つの言葉が説明されているがどれも面白い。
「いえで」はこうだ。
《帰らないつもりで自分の家をそっと出て、どこかへ行ってしまうこと。》
「そっと」ですよ。
いや、おもしろいです。


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コレクション→遺品

2023-07-19 17:14:26 | 本・雑誌
今読んでいる本です。



図書館からお借りしてきたもの。
『マイ仏教』(みうらじゅん著・新潮新書)。
信行寺の若住職お勧めの本です。
こんな記述がありました。

《私を仏像の世界に導いてくれた祖父が亡くなった時のことです。
それまで祖父が集めていた「コレクション」が、亡くなった瞬間に「遺品」に代わってしまいました。
(略)
ある日のこと、いつものように店をのぞくと、それまで全く出回っていなかった、レアなレコードが大量に売りに出されていました。それを見て嬉しくなり、店員の人に「どうしてこんなに貴重なものが売られているのですか?」と思わず聞いたら、「きっとコレクターの方が亡くなったか、倒産したかのどちらかでしょう」と極めてドライな答えが返ってきました。
その瞬間、祖父が亡くなったときと同じ気持ちになりました。レアなレコードを手に入れた高揚感はすぐに消え、「いつか私が死んだときもこうしてレコードが流出するのだろうか」と、寂しい気もちになりました。》


後期高齢者のわたしにはちょっと胸に響く言葉です。
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『涙の二等分』

2023-07-15 12:56:31 | 本・雑誌
「そこに有るはず」と思ったが、ない。
昨日のことだ。
なんで?と思って本の置いてあるところを探し回ったがない。
今日、諦めずにもう一度探してみた。
すると店の本棚の隅っこの奥にひっそりと身を潜めているのを見つけた。



 天金本です。

『涙の二等分』(賀川豊彦著・福永書店・大正8年刊・一円六十銭)。



どうしてこれを探していたかというと、
今読んでいる本『春いちばん』(玉岡かおる著)です。

この本の主人公が、賀川豊彦の妻、ハル。
今、三分の二ほど読んだところですが、実にいい本です。

そういえば賀川の詩集があったはずと思って探し出したというわけです。
この詩集『涙の二等分』は、9年前に「兵庫県古書協会」が神戸で開いた古書市で求めたもの。
武庫川の古書店「街の草」さんのコーナーで見つけたのでした。
ちょっと高かったですけど迷わず入手したのです。
(調べて見ると今は電子書籍になってるんですね。)
その事情はわたしの小随想集『ひとり勝負』(2015年2月刊・私家版)に載せてます。


追記  『春いちばん』を読み進めていたら、出てきました。『涙の二等分』が。355ページに。

《そんなハルに、たけうちが一冊の本を差し出した。賀川の『涙の二等分』だった。
巻頭には歌壇の女王ともいえる与謝野晶子が序文を寄せ、十も年が違う賀川を、まるで恋人を想うように絶賛している。》




『コーヒーカップの耳』
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偶然の二冊

2023-07-13 19:26:41 | 本・雑誌
図書館からお借りしてきた本ですけど、この2冊。



今、気づいたんてすけど、偶然どちらも宗教関連の本でした。
迂闊でした。
『マイ仏教』(みうらじゅん著・新潮新書)は文字通り仏教。
『春いちばん』(玉岡かおる著・一般社団法人 家の光協会)は賀川豊彦の妻が主人公でキリスト教。
本当にたまたま同時にお借りすることになりました。
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『春いちばん』

2023-07-12 13:53:14 | 本・雑誌
図書館からお借りしてきました。玉岡かおるさんの『春いちばん』。




もう一冊同時にお借りしたのがある。



信行寺さんのご住職がお勧めになっていた、みうらじゅんさんの『マイ仏教』。

『春いちばん』は2月に申し込んでいてやっと順番が回ってきたもの。
サブタイトルが「賀川豊彦の妻ハルのはるかな旅路」。
後も待っておられるだろうから、こちらを先に読み始めた。
すぐに印象的な箇所があった。

《そこにはマタイによる福音書第六章とあった。
 明日の事を思いわずらうな。明日のことは、明日自身が思いわずらうであろう。
 一日の苦労は、その日一日だけでじゅうぶんである。
 ハルはゆっくり、繰り返し読んだ。
 そうか、明日はどうなるか、それは明日考えればいいんだ。》


うん、たしかにそうなんですけどね。
それがなかなか思えないから人生しんどい時があるんですよね。
さて物語はどう展開して行くか。
玉岡さんの文章は読みやすいので、こ

の大長編(約500ページ)、遅読のわたしでも期限内に読み終えるでしょう。

追記 今80ページまで読んだところ。
やがて賀川豊彦の妻になる(のだろう)ハルが、女中奉公で苦労しているところなのだが、なぜか暗くない。
これは著者の玉岡さんの文体のせいだろうか。
なぜか明るいのだ。明治時代の苦労話をこんなに明るい雰囲気で書ける才能が素晴らしい。

追記の追記 113ページ、第2章を読み終えたところ。大きな感動の波が押し寄せてきた。
やっぱり玉岡さんの小説はいい。
この後ますます楽しみ。

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トンカ書店~花森書林

2023-07-11 18:47:48 | 本・雑誌
花森書林さんからハガキが届きました。



―はじまりは2005年―
7月17日から8月21日までのイベントのお知らせ。
振り返りをテーマに展示とのことです。
ちょっと哀しい思いがします。
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蝸牛さんが 

2023-07-03 09:01:16 | 本・雑誌
今朝の神戸新聞「阪神版」に蝸牛さんの記事が。
神戸新聞さん拝借お許しを。

→二段階クリックで。

つい先日、武庫川の古書店「街の草」さんで話題にしたばかりでした。
わたしが「街の草」さんに行くようになったのは実はこの「蝸牛」さんの縁でした。
どんな本だったか忘れましたが、ある詩集を探していたら、「詩集のことなら」と「街の草」さんを紹介されたのでした。

店主の滝田さん、それなりのお歳になられて。
という自分が後期高齢者真っ只中ですが。
このお店が出来たころを知ってますが、もう55年になるんですね。
そのころはよくお母さんが店番をしておられたように思います。
わたしは子どもを連れたりしてよく通いました。
長男が少林寺拳法を始めたころ、ここで少林寺拳法の開祖、宗道臣の署名入りの立派な本を入手したことを思い出します。
最近はあまり出入りさせてもらってませんが、お元気そうで良かった。



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2400円+税

2023-06-29 16:34:31 | 本・雑誌
武庫川の古書店「街の草」さんまで行ってきました。
お願いしていた本が入ったということで。
行ったついでに別に三冊買いましたが、これはそのうちの一冊。



『道頓堀に雨に別れて以来なり』(田辺聖子著・1998年刊)。
600ページあります。定価は2400円+税です。
これ、今日いくらで買ったと思います。
きれいな本です。一度目を通しただけのような新品同様。
それが、実は100円。たった100円です。
もちろん安い理由はありますけどね。

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志賀直哉と白洲次郎

2023-06-17 18:06:42 | 本・雑誌
出久根さんの『達人の至言』を読んでいる。

「白洲次郎」の項にこんなことが書いてある。
《『白洲正子全集』第十二巻に、この人の(次郎のこと)遺書の写真が出ている。(略)戒名の「戒」が戈でなく、斜めのクサビの無い文字である。》
へ~?と思った。
実は、わたしが所持する志賀直哉の署名の「哉」の字も同じなのだ。

この署名を見て宮崎翁はおっしゃったことがある。
「これは本物です。志賀直哉は署名の「哉」の字にタスキをかけなかったのです」と。

『コーヒーカップの耳』喫茶店泣き笑い。
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