先日Tさんからお借りした雑誌「Bookish」10をやっと読ませてもらいました。
杉山平一特集のような感じ。
2006年7月発行。ということは、杉山平一先生まだご健在中だ。
大体わたしの知っていることが書かれているが、林哲夫さんが書かれた「「背たかクラブ」のわかりやすさ 杉山平一の散文を読む」は、ちょっと刺激的だった。
杉山先生のことを書くときは、ほぼだれもが全面的に肯定的に書く。
だが、この林さんの論は、チラチラと欠点指摘もあって、わたしには新鮮だった。
そうかそういう視点もあるのか、と思った次第。
と言って、林さんの論が批判的だと言っているわけではありません。
論の終わりは次のように結ばれる。
《何も難しいことは描かれていない。にもかかわらず、読者はごく自然に大正十年代のある朝の都会、その水と空気のなかに誘いこまれる。杉山文学に、いや文学そのものにこれ以上のことを求める必要はまったくないだろう。》
それから、安水稔和氏の「杉山平一 おおらかに繋ぐ明晰な詩業」だが、中にこんな箇所がある。
《最新詩集は第五詩集『青をめざして』である。その題の詩はない。》
これは間違いです。
『青をめざして』の中に「青をめざして」という題の詩はあります。
これは安水氏の錯覚。
しかしこのこと、安水氏はどこかに「間違って書いてしまいました」ということを書いておられたと思う。
あるいは、直接お聞きしたのだったか。
もしかしたら、この10号の次の11号に訂正を載せられたかな?
ところでこの「Bookish」だが、編集人、中尾務となっている。
中尾さんなら、わたし最近お便りをいただきました。
わたしにとっては未知の人でしたが、富士正晴記念館の館長さんと教えて下さる人があって、恐縮したのでした。