ヒトラーが1945年に地下壕で自殺をしたあと現代で目覚め、50台半ばの、ヒトラーを真似たコメディアンとして世に受けられつつ次第に名声と人気を得て、ついには政界に乗り出そうかという気配まで漂わせたところで終わる。基本的にはコメディである。ヒトラーは1945年と同じく、まじめに国家のことを考えすべてに対応しようとする。ただ、もちろんいまは総統ではないことは理解しており、周囲の味方を増やして影響力を高めてゆこうとするまともな努力をしている。また自分が「眠っていた」65年間のドイツの歩みも十分学ぶ。
くそまじめなヒトラーの認識や言動が現代の人々に誤解されて受け止められながらそれはそれで何とか事態が進んでゆく。アンジャッシュのコントのような話が最初から最後まで続く。また昔気質の人からみた現代の物事に対する鋭くまた本質的な指摘(誤解もあるが)はいちいちおもしろい。いまの政治家たちに対する批評も現代ドイツ政治をもっと知っていれば恐らくもっとおもしろいのだろう。まあしかし、煎じ詰めて言うなら政治家のひどさは日本もドイツも一緒だなあ、と感心しつつ安心した。
そんな本だが、これはすばらしく示唆にとんでいる。著者も言っているように、ヒトラーは熱狂的支持も得た人物であり合法的に選ばれた人物でもある。そのような人物が魅力がないはずはなく、戦略的思考にも優れているはずである。そうであればいま蘇ってどう生きるか、今の目から過去をどう振り返るか、ということを本人の視点から語らせるのは大変意味のあることだと思った。
日本でも応用が出来るのではないか。戦前の大物を蘇らせてその目から現在と過去を振りかえらせる。適切な歴史の見直しになるのじゃあないかなあ。
くそまじめなヒトラーの認識や言動が現代の人々に誤解されて受け止められながらそれはそれで何とか事態が進んでゆく。アンジャッシュのコントのような話が最初から最後まで続く。また昔気質の人からみた現代の物事に対する鋭くまた本質的な指摘(誤解もあるが)はいちいちおもしろい。いまの政治家たちに対する批評も現代ドイツ政治をもっと知っていれば恐らくもっとおもしろいのだろう。まあしかし、煎じ詰めて言うなら政治家のひどさは日本もドイツも一緒だなあ、と感心しつつ安心した。
そんな本だが、これはすばらしく示唆にとんでいる。著者も言っているように、ヒトラーは熱狂的支持も得た人物であり合法的に選ばれた人物でもある。そのような人物が魅力がないはずはなく、戦略的思考にも優れているはずである。そうであればいま蘇ってどう生きるか、今の目から過去をどう振り返るか、ということを本人の視点から語らせるのは大変意味のあることだと思った。
日本でも応用が出来るのではないか。戦前の大物を蘇らせてその目から現在と過去を振りかえらせる。適切な歴史の見直しになるのじゃあないかなあ。