御託専科

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マックス・ウェーバーの哀しみ

2008-02-10 23:49:31 | 書評
「マックスワーバーの犯罪」で犯罪事実を立証した著者が、更にその動機に迫ったもの。氏はソウシャルワーカーの仕事をしている(いた?)ので、通常の学者・研究者には見られない独特の視点と嗅覚から迫っている。
しっかしまあ、ウェーバーに母親との葛藤、それを原因とする精神病があったとは知らなかった。

なるほど、とは思うな。でも、その葛藤への答えが「倫理」を膨大な著作とその捏造(?)である必要があるのだろうか。その点への必然性は今ひとつ弱い気がした。もう少し素直に、講義に難儀を抱える学者が手っ取り早く捏造を含む著作で名声を得ようとした、という風には見られないのかな、とは思った。