ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

線虫で重要な遺伝子発見=カロリー制限での延命効果=米ソーク研究所

2007年05月03日 | 生きもの色々
 マウスやショウジョウバエ、線虫などでは、厳しいカロリー制限を続けると寿命が延びる効果が知られるが、この効果に重要な役割を果たす遺伝子が線虫で見つかった。米ソーク研究所の研究チームが3日、英科学誌ネイチャーの電子版に発表した。
 この遺伝子「pha-4」は、よく似た遺伝子群がマウスや人間にもあり、空腹で血糖値が下がった際に膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモン「グルカゴン」の生産を制御する働きがある。グルカゴンは肝臓のグリコーゲンをブドウ糖に変える作用を促す。
 肥満ではない人がカロリー制限を続けた場合、寿命が延びるかどうかははっきりしない。しかし、これらの遺伝子の作用メカニズムの解明が進めば、老化を遅らせる抗加齢(アンチエイジング)医療への応用が期待される。

[時事ドットコム / 2007年05月03日]
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007050300038

タミフル、追加動物実験へ=厚労省作業班で検討

2007年05月03日 | 薬理
 服用後の異常行動や突然死が問題化しているインフルエンザ治療薬「タミフル」について、厚生労働省は2日、薬理作用など基礎的側面から因果関係を検討するため、ワーキンググループ(座長・大野泰雄国立医薬品食品衛生研究所副所長)の会議を開催した。今後1カ月以内をめどに、新たに必要となる動物実験などの内容を検討し、まとまり次第、同省から製造元の中外製薬に実施を指示する予定。
 この日の会合では、承認審査の際に使われた動物実験結果を基に議論。健康なマウスなどを使った実験で中枢神経への影響はないとされており、委員からは、実際の使用状況を踏まえて病気の動物で実験を行う必要性や、より人間に近い霊長類で行う必要性などが指摘された。

[時事ドットコム / 2007年05月02日]

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007050200897


【タミフル:異常行動問題で動物実験へ】
 インフルエンザ治療薬「タミフル」について厚生労働省・安全対策調査会の作業部会は2日、服用した患者の飛び降りなどの異常行動との因果関係の有無を判断するため新たな動物実験を求める方針を固めた。

[毎日新聞 / 2007年05月03日]
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070503ddm041040155000c.html

動物実験軸にタミフル議論 厚労省作業部会(産経新聞) - goo ニュース

覚せい剤依存に遺伝子=名城大学、名古屋大学

2007年05月03日 | 薬理
 いったん断っても、再び常習してしまう覚せい剤依存症には、特定の遺伝子が関係していることが分かった。マウスを使った名城大学(名古屋市)などの研究チームの成果で、治療薬開発の手がかりになりそうだ。

 名城大の鍋島俊隆教授とヤン・イージン名古屋大特任助手らは、赤ランプが点灯した時にその下にある穴を鼻先でつつくと、少量の覚せい剤がもらえる仕組みのマウス飼育箱を作製。普通のマウスと、GDNFという神経栄養因子を作る遺伝子を働かなくしたマウスをそれぞれこの中で飼い、常に覚せい剤を求め続ける依存症になるまでの日数を比べた。

 すると普通のマウスは平均20日かかったが、GDNF遺伝子が働かないマウスは平均15日。覚せい剤が出ない状態を3カ月保った後、再び赤ランプをつけると、普通のマウスの倍のペースで穴を激しくつつき続けた。GDNFがないと覚せい剤依存症の発症・再発がしやすくなることが示された。

 これと並行して、丹羽美苗(にわ・みなえ)・名城大研究員はGDNFを増やすことが分かっているアミノ酸分子を使い、治療効果を調べた。依存症にしたマウスに5日間、覚せい剤を与えないでおく。この間にアミノ酸分子を1日1回注射したマウスは、覚せい剤を再び与えても再発しなかった。一方、何もしなかったマウスはすぐに再発した。GDNFの増加で「誘惑」に強い体質になったと見ている。

 鍋島教授は「結果がそのまま人間に当てはまるかどうかは分からないが、治療薬開発の手がかりになる」といい、今後、複数の大学病院などと連携して、覚せい剤依存症で治療中の患者の血液を使って、人でのGDNF遺伝子を調べる。

 覚せい剤依存症を治す薬はなく、陥ると手を切るのが難しい。厚生労働省のまとめによると、覚せい剤取締法違反で検挙された人のうち、再犯者は00年の50%から増加し続け、05年には55%に達している。

[朝日新聞 / 2007年05月03日]
http://www.asahi.com/science/update/0502/OSK200705020074.html

覚せい剤依存に遺伝子 名城大など発見(朝日新聞) - goo ニュース