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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

はしか 関東で流行の兆し…過去に比べ若者の発病が増加

2007年05月02日 | 創薬
 2004年ごろから激減していたはしかが、関東で流行の兆しをみせている。

 国立感染症研究所が2日公表した定点調査でわかった。過去の流行に比べて、10~20歳代の発病者が多い。ゴールデンウイークの行楽客によって感染がさらに広がる可能性もあるため、同研究所は注意を呼びかけている。

 同研究所が全国約450の基幹病院を対象に行っている定点調査によると、報告があった15歳以上の患者数は先月16日から1週間で39人に上り、01年の大流行時に記録した1週間あたり54人に迫りつつある。東京都立高3校が、はしかの集団発生で臨時休校となったほか、創価大(東京都八王子市)も今月6日まで全授業を休講にした。
愛知県や大阪府など他の大都市圏でも患者が増えている。

 はしかは、くしゃみやせきによる飛まつ、接触による感染のほか、空気感染も起き、感染力が極めて強い。1歳児に対するワクチン接種の普及などにより患者の総数は減少していたが、その一方で、病原体に触れて免疫が高まる機会が少なくなったことなどが原因となり、昨年末から感染が拡大したとみられる。はしかの流行は、春から初夏にかけてが最盛期となる。

[読売新聞 / 2007年05月02日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070502i413.htm

マラリア特効薬 原虫殺す化合物を開発=岡山大学

2007年05月02日 | 創薬
 熱帯地域の感染症・マラリアの治療に、即効性が期待できる化合物の開発に岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の金恵淑准教授(39)が成功した。マラリア感染による死者は東南アジアやアフリカなどに年間100万人以上いるとされ、今後臨床試験を行い実用化を目指す。

 現在主流のマラリア治療薬の「アルテミシニン」は即効性が低く、他の薬との併用をしなければ、マラリア原虫を殺す効果もないという。

 金准教授は、解熱作用のある化合物約7000種類から、マラリア原虫の活動を弱める過酸化化合物500種を抽出。この過酸化化合物を合成し、マラリア原虫を殺す作用をもつ過酸化化合物(N-89)をつくりだすことに成功した。マウスやサルを使った動物実験では、N-89を投与後、12時間以内に体内のマラリア原虫が減少し、2日後には完治したという。

 マラリアでの死者は現在、東南アジアやアフリカを中心に年間100万人以上いるものの、発展途上国での流行が目立つことから、先進国の製薬会社はマラリア治療薬の開発に消極的。金准教授は今後、世界保健機関(WHO)の協力を得て、臨床実験を実施し、実用化を目指す。

 金准教授は「N-89は、正常な細胞に与える影響が低く安全性も高い。大量生産が進めば、安い価格での購入も可能となる」としている。

[産経新聞 / 2007年05月02日]
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/kenko/070502/knk070502000.htm