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マラリア特効薬 原虫殺す化合物を開発=岡山大学

2007年05月02日 | 創薬
 熱帯地域の感染症・マラリアの治療に、即効性が期待できる化合物の開発に岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の金恵淑准教授(39)が成功した。マラリア感染による死者は東南アジアやアフリカなどに年間100万人以上いるとされ、今後臨床試験を行い実用化を目指す。

 現在主流のマラリア治療薬の「アルテミシニン」は即効性が低く、他の薬との併用をしなければ、マラリア原虫を殺す効果もないという。

 金准教授は、解熱作用のある化合物約7000種類から、マラリア原虫の活動を弱める過酸化化合物500種を抽出。この過酸化化合物を合成し、マラリア原虫を殺す作用をもつ過酸化化合物(N-89)をつくりだすことに成功した。マウスやサルを使った動物実験では、N-89を投与後、12時間以内に体内のマラリア原虫が減少し、2日後には完治したという。

 マラリアでの死者は現在、東南アジアやアフリカを中心に年間100万人以上いるものの、発展途上国での流行が目立つことから、先進国の製薬会社はマラリア治療薬の開発に消極的。金准教授は今後、世界保健機関(WHO)の協力を得て、臨床実験を実施し、実用化を目指す。

 金准教授は「N-89は、正常な細胞に与える影響が低く安全性も高い。大量生産が進めば、安い価格での購入も可能となる」としている。

[産経新聞 / 2007年05月02日]
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/kenko/070502/knk070502000.htm


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