2月16日(月)、高江・ヘリパッドいらない住民の会の防衛局、県への抗議要請行動に参加した。①すでに完成したN4地区ヘリパッドの米軍への移管問題、②県道70号線のN1ゲート前での座り込みを排除するために県道70号線の路側部分を米軍への専用区域に変更する問題、③高江集落内の工事車両の通行問題の3点について防衛局に抗議し、県への要請を行った。
午前10時半、嘉手納の沖縄防衛局前で交渉前の集会が行なわれた。ちょうど、辺野古に向かう「島ぐるみ」会議の皆さんがバス2台で立ち寄ってくれ、集会は盛り上がった。
(午前10時半、防衛局前での抗議集会)
(井上防衛局長に抗議文を手交)
午前11時半、糸数慶子参議院議員の同席のもと、井上防衛局長との交渉が始まった。今日は、高江の住民の会からの参加者も多く、それぞれが普段の生活の中でのオスプレイの被害状況等を口々に訴えた。
N4地区のヘリパッド移管問題については、1月30日の日米合同委員会で合意され、今後、閣議決定、官報告示、日米政府間協定などの手続きがあるということだった。住民の会からは、「北部訓練場の過半の返還の条件として6ケ所のヘリパッドを新設するといっていたのに、返還手続きが進まないまま完成したものから移管していけばヘリパッドはどんどん増えていく。基地負担の軽減という約束に相反するではないか、認められない。」と抗議が集中した。
防衛局長は、「SACOの最終合意では、着陸帯の提供時期は定めていない」と述べた上で、「N4着陸帯は新設ではなく既存の着陸帯(LZ17)の一部改修であり、改修が終わったことに伴い提供した。」と説明した。しかし、今まではあくまでも「6ケ所の新設」と言ってきており、「改修」というような説明は今日が始めてだ。我々からは、「米軍への先行移管を正当化するための詭弁だ。」と強く抗議した。
N1ゲート前の県道70号線の路側部分を米軍専用区域化する問題については、「まだ決まっていないのでお話しできない。」という返答に終始した。この問題については昨年8月以来、今日で4回目の局長交渉になるが、局長の回答は毎回同じだ。防衛局は、いつも「まだ決まっていないからお話しできない」と言いながら、ある日突然、決定してしまうのだ。「まだ決まっていないからこそ、こうして要請しているのだ」と皆が口々に怒りをぶつけた。
また、防衛局長は交渉の中で、「ヘリパッド新設については、高江区から承認をいただいている」と説明した。しかし、この点については、「高江区は2度も反対決議をしており、その決議は今も生きている。」と皆の怒りが集中した。
ただ、大きな収穫もあった。「N1地区やG地区のヘリパッド工事に際して、工事用車両を高江の集落内の道路を通行させないこと」という要求に対して、防衛局長は、「工事車両は高江集落内を通行しません」と明言したのだ。今までは、「原則として」や「できるだけ」と回答し、我々が「原則というのを外せ」と要求しても全く応じなかったのだが、今日は、始めて「原則」を外し、「通行しない」と約束した。
(沖縄県親川知事公室統括監への要請行動)
午後は沖縄県知事公室への要請行動が行なわれた(この交渉には6名の県議の方々も参加された。)。親川統括監は、今までと同じように「防衛局に照会しているが、まだ決まったことではないということだった。」という説明をくり返した。住民の会からは、県として防衛局に対し、「①N4地区ヘリパッドの移管には反対。②県道70号線の路側部分の米軍専用区域化は認められない。」という文書を出すように求めたところ、親川統括監は「知事、副知事とも協議して住民の会に回答する。」と約束した。
住民の会は最後に、「翁長知事さんも一度、高江に来て住民と話し合ってほしい。」と要請してこの日の要請行動を終えた。