いよいよ明日(9月4日・月)、辺野古設計変更申請をめぐる県の関与取消訴訟(是正指示)の最高裁判決が出される。明日に備えて3月の福岡高裁那覇支部の判決文を読み直してみたが、このようなひどい判決が確定することなど信じ難いことだ。
特に最高裁が、次の部分をどう判断するのかに注目している。
1.「(B27地点の力学的試験の必要性、調整係数の問題点等、軟弱地盤の問題について)『港港基準』より厳格な判断を行うことは、法の予定するところではなく、そのような判断は、考慮すべきではない事項を過剰に考慮したものとして、裁量権の範囲の逸脱又は濫用に当たる。」(高裁判決文 P38)
2.「(高裁判決は、『普天間飛行場の危険性を早期に除去するという政策課題を実現する他の現実的な方策を速やかに見出すことが現時点においては困難』等と判示したが、)裁判所が判断すべきは、国と申立人のいずれの見解が正当であるか否かであるかではなく、公水法の要件適合性判断においては、知事に裁量があることを前提にして、その裁量行使が、『事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明かに妥当性を欠いているか』である。(2016年12月 最高裁判決)」(県上告受理申立理由書P87)
最高裁判決後、デニー知事はどう対応するのか? 辺野古新基地建設反対運動は最大の正念場を迎えようとしている。
(沖縄平和市民連絡会は、8月31日、徳田博人琉球大学教授をお迎えして学習会を開催したが、その映像がユーチューブに掲載されたので是非、ご覧ください。)
私たち県内14団体は、知事の毅然とした対応を求める要請書を提出したが、県外からも知事への激励のメッセージが続いている。
以下、辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会(辺野古土砂全協)と、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会の知事へのメッセージを紹介する。
下記は「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会の知事宛要請書
沖縄県知事 玉城 デニー様 2023年8月31日
私たちは、辺野古新基地反対を貫く玉城デニー知事に、心からの連帯を表明します。
「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会
私たちは、「辺野古に新基地を造らせない」ことを直接の課題として、首都圏を中心に志を同じくする個人・団体が集まり、「オール沖縄会議」とも連携しながら、微力ですが様々な取り組みを行ってきました。
突然のFAXの失礼を思いながら、辺野古設計変更申請をめぐる訴訟での「沖縄県敗訴の見通し」との報道に接し、私たちの気持ちをお伝えできればと思い、キーをたたいています。
知事が25日の記者会見で「最高裁で県の主張を述べる機会が与えられなかったことは大変残念」と述べられたように、最高裁の審理の有りようは、沖縄の民意と地方自治を否定・冒涜するものと言わねばなりません。また知事が「不承認は公水法を厳正に審査した結果の判断」とし、「辺野古新基地反対の思いはいささかも変わっていない」とあらためて表明されたことに強く勇気づけられています。私たちも一層の連帯の取り組みを、あらためて決意したいと思います。
「普天間の一日も早い危険性除去」が言われてからすでに27年余、さらに大浦湾側埋立では、今後経験のない規模の軟弱地盤改良工事が待ち受ける、こんな計画が「唯一の選択肢」であるはずがありません。
さらに、陸上自衛隊常駐による日米共同使用密約は、辺野古新基地が普天間代替などではなく、キャンプシュワブと併せて飛行場・弾薬庫・軍港機能・上陸訓練を備えた、日米軍事一体化を象徴し、南西諸島の軍事化を支える多角的拠点基地として建設・運用されることを示しています。
たとえ最高裁が県の訴えを退けたとしても、それで「軟弱地盤」の存在や戦没者遺骨の眠る南部地域土砂による埋め立て、珊瑚やジュゴン保護などへの危惧が解消するわけではありません。
この間、沖縄防衛局の数々の不正、そして「軟弱地盤」の存在すらも暴いてきたのは、ゲート前・安和・塩川・海上の現場での一日も欠かさない監視・阻止行動と学者・専門家らの連携した努力、そして揺るがぬ玉城デニー県政の存在でした。埋立承認の「取り消し」「撤回」、さらに設計変更を「不承認」としてきた県の主張の正しさは、今後も形を変えて明らかになるはずです。それを顕在化させうるのは、「絶対にあきらめない」知事と現場の運動であり、それを支える沖縄と全国の民意だと思っています。知事には、何としてもその先頭に立ち続けてほしいと願っています。
最後に、米軍施設70%の沖縄集中に加え、新基地の工事強行まで許してしまっている、私たち「本土」側主権者の責任の重さを痛感せざるをえません。「辺野古に基地は造らせない」とする玉城デニー知事、そして沖縄の民意とともにあり続けること、そのためにできることを考え実践する、そのことをお誓いし私たちのメッセージとします。
お読みいただき、ありがとうございました。