中二な中年の備忘録

備忘録なので大した内容はありません。
たまにちょっと多めに語る時があります。
競馬の話題の時はさらに饒舌になります。

ないもの

2019年05月15日 23時46分10秒 | ぶらり、城南
2019.5.2の回顧録

おもはらの森→ガレリア表参道原宿(中川航一コマ漫画展)→BA-TSU ART GALLERY(BONE MUSIC展)→a piece of cake・岡本太郎記念館(お茶・岡本太郎のパブリックアート)→揚子江菜館(昼食)

中川さんの作品は、一コマ漫画の王道を、正当に踏襲しているね。それこそ、エロと、グロと、ナンセンスがちゃんと織り込まれていて、大人がニヤッとできる作品。“マンガ”じゃなくて、“漫画”なんだよね。今やこの作風は、一部の新聞・週刊誌でしか見られない希少種。だからこそ、アートの枠組みで語るのもアリかと。素晴らしい。
BONE MUSICの本旨は、やっぱりその背景だよね。で、ああいう反体制的なことをやっちゃうのは、時代と場所に関わらず、悪童なんだよな。確かに厄介者の面は持つとはいえ、時に文化に強く影響し、社会を変えるのは、こういう信念と執念のある悪童なんだよな。翻れば、みんな一見イイ子ちゃんだけど、狡くなっただけで、こういう豪胆さを持ったワルはいなくなったよね。隅っこでチクチクネチネチしてるだけでさ。
んで、やっぱり太郎さんが極め付きな訳よ。パブリックアートへの考え方も、独特で大胆、今に至っても唯一無二じゃないかな。今や、市民の手によってパブリックアートが撤去される時代で、自らアートを遠ざけてる、と言うか、そもそも世界に名を残すくらいの人以外は、アーティストとして認めてないんだろうね、イタズラと同じベクトルで判断しちゃうんだろうな。それこそ、路地と人での話の一部だけど、最早太陽の塔は、普遍性を以てそこに存在してるんだよね。もし、当時より、技術も精神性も進化してるというのなら、これに負けないレガシーを残さなきゃならないんだよ。大阪人解ってる?ダブル選完勝で浮かれてる場合じゃないぜ。
で、こっちはちゃんと残った方。流石の老舗名店、百年余の貫録だな。スープの香りだけで、もう美味しいもん。
森はね、20年後には“ないもの”って意味で……って、20年で消えたら、森じゃねーじゃん。


岡本太郎記念館のページ
揚子江菜館のページ
中川航さんのページ

でかした港区

2019年05月15日 23時37分50秒 | ぶらり、城南
2019.5.1の回顧録

マクセルアクアパーク品川→港区立郷土歴史館・VEGETABLE LIFE(昼食)

文化財クラスの建物を丸ごと譲渡を受けて、可能な限り原形を留めた上で、ほぼ全館立ち入り可能にしてるとか、どんだけの社会公共性の高さか、港区。展示見ないで館内巡るだけならタダなので、もうそれだけで価値ありで、寧ろ行っとかないのが勿体ない。カフェスペースも、八芳園のプロデュース受けてる割りにはお手頃価格で、私みたいに、昼食とかお茶休憩挟みながら全館回るとか、全然可能なの。
展示部分は有料になるので、ここまで観て回るかどうかは、個人の嗜好と時間の問題かな。常設展は、可能な限り区内のことに絞っているのは好印象で、時系列で語らず、事象毎に纏めているのが、郷土歴史館としては新機軸。特に、別スペースにはなるけど、廃校まで含めて、区内の教育機関のほぼ全般に触れているのは画期的で、ただこれはもしかすると、少子化による統廃合で、近年相当数の公立校を潰してきた罪滅ぼしもあるのかも。当館当面最大の課題は特別展で、これは企画を、広く外から求めてもいいのでは。私が訪ねた時の内容は、入館料徴収のレベルではないね、あれは他区なら、タダのレベル。
とは言え見学には、閉館ギリギリまで5時間半以上かけて、まだ見尽くせないヴォリュームなのは、区立館としてはスゴイの一言。片や、イルカのショーまでの1時間を持て余す内容の薄さ。ってかリニューアルして薄さに拍車がかかったよね。こっちは7掛け程度の割引料金で入ってるから、まあ損したとまでは言わないけど、ショーのために年パス購入してる人は、相当好きか相当泊まるか相当奇特かのどれかだよね。まあイルカのショーも、あと10年程度が相場になる可能性もあるので、今のうちタップリ楽しんどけばってのはあるけどね、オリンピックのレセプション的なイベントの時、主催者が江の島でヘマかましたからね。


港区立郷土歴史館のページ

路地と人

2019年05月15日 23時33分41秒 | ぶらり、城内
2019.4.30の回顧録

川府(昼食)→路地と人(鶴崎正良展)

何と言うか、特殊能力を持っている人というのは、本当にいるものだなと。職業柄というのもあるんだろうけど、絵と会話できると言うか、いや、言葉を交わす訳ではなく、身体に直接聞く職業だから、絵から直接聞いている感じなのかも。ああいう解釈を聞いたことがなかったし、だからこそ興味深くて、ついつい聞き込んじゃった。まあそれに比べたら、自分の視点なんて軽薄なもんで。いや、それさえお見通しで、話に乗ってくれていたのかも知れないけどね。「路地と人」か、上手いネーミングだね。作家さん置いてきぼりにして、ゴメンナサイm(__)m

危うくゼロ査定

2019年05月15日 23時17分17秒 | ぶらり、城西
2019.4.29の回顧録

東京おもちゃ美術館→美術愛住館(アンドリュー=ワイエス展)→中村屋サロン美術館(鈴木まもる展)→柿傳ギャラリー(奈良祐希・松村淳展)→ギャラリーダイガード「みるっく」

鈴木さんの作品は、一般的に美術館で観るタイプの絵画ではないと思っていたら、これまでの活動から考えたことをキッチリ作品化していて、そこは流石、当初は美術家を目指していただけのことはあると思ったね。喋りたがりは、まあ研究者でコレクターの甲斐性だから、それは受け入れる度量は持たないとな。フラッと観に来るオバチャン達と違って、なまじ知識付けちゃってるもんでね。それにしても、アーティストリレーとは面白い企画を考えたもんだ。単に収蔵品を順繰りにだけではなく、ちゃんと現代に活躍している美術家に焦点を当てる企画であって、それは、嘗て美術家のサロンと呼ばれていた空気を入れようという、言わば温故知新な活動な訳。もうこれは老舗の矜持。カレー食って帰るだけは勿体なさ過ぎる。
新宿ど真ん中の高級料亭附設のギャラリーなんて、どんなお固い、そして古臭い展示をしてるかと思うでしょ?とんでもない、お二人ともお若く且つ、ギャラリーの方に言わせれば、「青く、冒険的」な作品が並んでいて、スリリングだったね。だって、造形的な美しさは凄いんだけど、凡そ機能的じゃないの。でも確かにそこが魅力。勝手なこと言うと、セルと言うかシェルと言うか、そういうパーツの組み合わせのような作品は、セラミックであると分かっていても、変形でもしそうな造形で、何か子供の方が目を輝かせそうなのは、セラミックとしては間違いなく冒険的でしょ。
ともかく、この2か所が踏めたお陰で、つまらない一日にせずに済んだのが、何より有難かった。新宿区は、あんな訳の分からない立地の区立美術館に力入れずに、中村屋に支援するべきだね。開館の経緯を考えたら、何であそこでアンドリュー=ワイエス?何の説明もないし、訳分からん。
しかし大ガードは、あれくらいじゃ変わらんね。あそこを定期的に通行止めにするくらいのことをしなきゃダメなんだろうな、かなり不可能事だけど。良いことやってるんだけどね。もうあそこのディヴィジョンの方々でも動員するかね。


中村屋サロン美術館のページ