2024.1.8の回顧録
SusHi Tech Square(都市にひそむミエナイモノ展・東京自然いきもの展・TOKYO2020レガシー展)→銀座メゾンエルメスフォーラム(エコロジー:循環をめぐるダイアローグ1・崔在銀展)→蕎香(昼食)
何だか神秘的な現象を感じさせるイベント名が付いているけど、“ミエナイモノ”とは要するにAIを含む各種先端技術を指すもので、つまり施設に沿ったことをしているっていうだけ。ただ、アート界隈の作家が多いからか、これまでのその手のものよりも、着眼が面白いものは多かったね。特に、人工子宮をテーマにした対話ゲームは、総ての人が参加可能なだけに、突き詰めていくとスゴイことになりそうだけど、作家が想定しているあのデザインからすると、あそこから産まれた子に対する蔑視不可避って気がするけど、それこそあれ『コーディネーター』でしょ。こういう時だけ、人間を超理想的な存在としてことを語るのは、現代化学の悪習だね、発想は隣で参考展示されてた、『ユニコーンを人工的に作っちゃおう!』と一緒。おお、期せずしてGD的な単語が並んだ。
で、それ言ったらAIも正にそれで、ある展示で語られていた、『AIは正しい、間違えない→AIは人間の味方→故にAIに従うのが理想』は、どう考えたって悪魔の三段論法でしょ、AIは何者にも管理されない完全独立な存在足り得るのかって論点を聞いたことがないからね、要するに製作者若しくは管理者が、AIが自分達を否定するような解を導こうとしている時に、介入せずにいられるかって話で、これをされちゃうなら、AIは全く完全存在足り得ない。図らずもそれを裏付けるような形になっちゃったのが同時開催だったイベントで、いきもの展はガジェットが使い辛くて、結局普通に目で追った方が早いし、オリンピック展に至っては、後のイベントにまで影落とすようなメチャクチャさだったってのを、何処の鳥頭がキレイサッパリ忘れてバカ騒ぎ出来んの。それこそ『AIは人間の創作物→人間は間違える、反省しない→故にAIは確実に間違える』ってことでしょ、これも悪魔の三段論法か。そもそも施設名からして外連味しかないんだから世話ない。コロナ元年の2020年に開催予定だった全国の花火大会を3分程度に圧縮して色んな方法で再現するインスタレーションがあったけど、我々が安全にお気楽に楽しめる先端技術なんて、この程度が関の山なんじゃない。
そこいくとエルメスさんのは、何時にも増してどっしりと、文字通り地に足付けた企画で。停戦ラインの荒地を森に還すプロジェクトなんて、余りに壮大で夢物語だけど、アーティストたればこその発想で感動モノ。もしも実現を見るようなことがあったら、確実にノーベル平和賞でしょ。しかしながら、それもこれも、廃材の山に刻まれた「もう一度樹に生まれ変わりたい」の言葉に心が動かないような人には無意味で。そんな人に現代アートは、意味不明なつまらないものでしかないでしょ、きっと。