乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

うつ病の診断

2009年09月15日 | 病気・症状


以前紹介した「なんちゃって鬱」、これが本当の鬱病なのかどうか。腫瘍マーカーのように、病気かどうか凡その見当がつく病気ではないだけに、診断は難しいようです。
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【プライマリケアでのうつ病診断は偽陽性が多い】 Lancet誌から   2009. 8. 14
  
  5万人の患者を対象としたメタ分析の結果


 うつ病の治療は一般開業医(GP)によって行われることが多い。その診断精度を知るためにメタ分析を行った英国Leicester総合病院のAlex J Mitchell氏らは、プライマリケアでは、偽陽性と判定される患者の割合が真陽性より高くなることを明らかにした。詳細は、Lancet誌電子版に2009年7月28日に報告された。

 うつ病においても、過小診断、過剰診断は患者に様々なリスクをもたらす。だが、実際に偽陽性や偽陰性がどの程度の割合で存在するのかは明らかではなかった。そこで著者らは、プライマリケアでGPが行ううつ病診断の精度を調べるためにメタ分析を行った。

 Medline、PsycINFO、Embase、Scopusといったデータベースから、GPが単独で行ったうつ病診断の精度を評価した研究で、診断に構造化インタビューまたは半構造化インタビューを用いていた41件を選出。

 対象となった5万371人の患者において、うつ病の有病率は19.5%(95%信頼区間15.7%-23.7%)だった。有病率は国ごとに大きく異なり、オランダが22.6%(13.5%-33.3%)で最高、オーストラリアが10.2%(5.0%-17.0%)で最低だった。診断基準にDSMを使用している研究では、有病率は17.3%(12.2%-23.1%)、ICDを使用している研究では17.2%(10.4%-25.4%)で、差はなかった。

 ランダム効果モデルを使ったメタ分析では、プライマリケアでのうつ病診断の感度は47.3%(41.7%-53.0%)だった。診断感度もまた、研究ごとに大きく異なっていた(6.6%~78.8%)。

 41件のうち、完全な情報を提供していた19件を選び、さらに分析を進めた。それらの研究は、診断の特異度と、診断(rule-in)、除外(rule-out)の精度について評価していた。

 対象となった集団全体の有病率は21.9%、診断の感度は50.1%(41.3%-59.0%)、特異度は81.3%(74.5%-87.3%)で、診断が正しかった患者は全体の72.4%(69.2%-78.9%)だった。

 陽性予測値は42.0%(39.6%-44.3%)、陰性予測値は85.8%(84.8%-86.7%)。陽性尤度比は2.37(2.21-2.54)、陰性尤度比は0.64(0.61-0.67)だった。

 以上の結果を利用して、有病率が20%とした場合に、プライマリケアを受診する100人の患者の中から、20人のうつ病患者を選出する精度を求めた。

 まず、患者のうち10人は正確に診断できるが、10人は見落とされる。一方、うつ病ではない80人のうち65人は正確に除外できるが、15人は偽陽性の判定を受ける。現時点では、偽陽性が真陽性よりも多いことになる。診断が正しく行われる患者は全体の75%で、残りの25%は誤判別となる。スクリーニング必要数(NNS)は2.0。

 有病率がさらに低く10%であるなら、100人の患者を診察し、10人のうつ病患者のうちの5人を正確に診断、うつ病ではない90人中73人は正確に除外できるが、17人は偽陽性になる。誤判別率は22%、NNSは1.77となる。

 正確な診断が難しい理由について、著者らは、有病率が10~20%とさほど高くないこと、90%を超える患者が身体症状やそのほかの精神症状を示すこと、軽症の患者ほど診断は難しいこと、そして、診察時間が短いとうつ病のような病気の診断は難しくなること――などを挙げている。

 時間もリソースも限られているGPがうつ病の診断精度を向上させるための方策として、著者らは、前向きに3~12カ月追跡して診断する、またはほかの医師の協力を仰いで診断する、などを提案している。

 原題は「Clinical diagnosis of depression in primary care: a meta-analysis」。
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>有病率が20%とした場合に、プライマリケアを受診する100人の患者の中から、20人のうつ病患者を選出する精度を求めた。

>患者のうち10人は正確に診断できるが、10人は見落とされる。一方、うつ病ではない80人のうち65人は正確に除外できるが、15人は偽陽性の判定を受ける。現時点では、偽陽性が真陽性よりも多いことになる。診断が正しく行われる患者は全体の75%で、残りの25%は誤判別となる。

>正確な診断が難しい理由について、著者らは、有病率が10~20%とさほど高くないこと、90%を超える患者が身体症状やそのほかの精神症状を示すこと、軽症の患者ほど診断は難しいこと、そして、診察時間が短いとうつ病のような病気の診断は難しくなること――などを挙げている。


日本人の有病率がどのあたりに位置するかわかりませんが、この研究では10~20%と考えていますね。
「なんちゃって鬱」の割合は、もっと高いような気がします。軽症ほど診断は難しい、、、それで鬱病の診断がつくのかな?
軽症の時期にしっかり治療した方が、本人にとっても治療者にとっても有利です。その一方で、単なる「わがまま」とか「甘え」の場合もありますね。この判断はどのようにつけるのでしょうか。

私が参考にするのは、普段の様子です。仕事や生活態度で、特に問題行動を起こさなかった人が、ある時期から鬱っぽくなってきたら、病気を考えるかも。
普段から自己中心的だったり、他人に批判的、攻撃的だったら、元気がなくなったとしても、自業自得でしょ、と思っちゃいます。
この判断も主観が大きいので、なかなか難しいと思います。


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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)