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西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

両国八景

2010-04-29 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
64-「両国八景」(1876・明治9年)


河竹黙阿弥が新七(2世)時代に書いた長唄がある。
杵屋勝三郎(2世)の弟子、勝秀宅の新築床開きに頼まれたもので、
住まいのある両国辺りの風景を八景に仕立てた。

八景の始まりは、中国湖南省にある洞庭湖の“瀟湘(しょうしょう)八景”。
名の由来は、洞庭湖に注ぐ川、湘江と、
その支流、瀟水の交わる辺りの景観を描いたところからきている。
日本には室町時代に伝わり、
江戸時代初期に琵琶湖畔の“近江八景”に集約されたのだとか。


『名にし近江の八景を
 廓(さと)にうつせし桜田の
 詞(ことば)の花の香を慕い
 拙(つたな)き筆に両国の
 街(ちまた)に装うはじ紅葉』

● 彼の有名な近江八景、それを廓に移したのが
桜田治助の「廓八景」。 
こちとら、未熟者でお恥ずかしい次第だが、治助名人の筆を慕い
両国の街景色を書いてみやしょう。

さすが黙阿弥、耳に心地よい七五調。
ところがこれが唄になると、セリフほどの心地よさとはならないのが
ちょっとはがゆい。

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tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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