長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。
杵屋六左衛門(9代目)―15「冬の山姥」
次は金太郎の踊りとなる。
『雪やこんこん 丹波の小雪
小雪集めてころころころ…
中略
おんらが住家は足柄の山奥で
でんぐりでんぐり杉の木の
木の根を枕にころり寝もし
寝間へ獅子でも熊でも来たならば
ひん抱いてえらい目に遭わそえ
船となり又帆となる
人の気心知りゃせまい
中略
乳房離れしその日より
力だめしの ありゃ ありゃ ありゃ
こりゃ こりゃ こりゃ
松を引き合うその内に
中よりほっとねじ切りしは
目ざましや』
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚