西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

160-浜松風

2010-02-15 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
杵屋六左衛門(9代目)―10『浜松風』


次は軽快な踊り地。
行平にちなみ、柿本人麿や在原業平など、
有名な歌人の名を詠み込んで綴っている。

『慕う心はナ 皆もとどうり
 今宵やいのと 文 柿の本(今夜は逢って下さいと、手紙を書いた)
 首尾を見合わせ 逢う中臣の(大中臣能宣・おおなかとみのよしのぶ)
 もはや夜半は権中納言(はや夜中、もう来ないでしょう)
 様に別れは坂の上の(坂上是則・さかのうえのこれのり)
 是則さんへの心中立
 おおよい事の よい事の』

小藤と此兵衛の二人の踊りゆえか、返し唄形式になっている。

『恨み顔にてナ 何も言わず
 壬生のただみは気をはる道の(壬生忠見・みぶのただみ/春道列樹・はるみちのつらき)
 辛き憂き身に大江の千里(大江千里・おおえのちさと)
 たとへどなたが水差そうとも
 深い縁しは在原の(在原業平・ありはらのなりひら) 
 業平さんへの心中だて
 おおよい事のよい事の
 磯慣れ松のなつかしや』

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tea breaku・海中百景
photo by 和尚
コメント
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