西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

163-冬の山姥

2010-02-18 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
杵屋六左衛門(9代目)―13「冬の山姥」

まずは、山姥が曲がりくねった雪道を辿り、
庵に帰って行く、というところ。花道での踊りだ。

『あしびきの 山高うして海近く
 峰の梢は雪折れの
 すわや陽炎 夕月の(あっ 陽炎が)
 影も朧に山姥が(夕月のぼんやりとした影の中)
 帰るさの(山姥が帰ることよ)
 道惑わじと折る枝も
 八重降り積もる雪の足
 水の流れの音絶えて
 眺めは花に優れども
 今日の寒さをいかにせん
 笠もる雪を打ち払い
 訪のう人もなき身のつらさ
 暫し晴れ間を松の雪(ちょっと雪の止むのを待つとするか)
 あしびきの 山路激しき九十九折り(曲がりくねった山道を)
 辿り辿りて来たりける』

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tea braeaku・海中百景
photo by 和尚
コメント
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