西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

159-浜松風

2010-02-14 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
杵屋六左衛門(9代目)―9「浜松風」


『それは行平さんを待ち明かし
 浪に漂う捨て小舟
 焦がれて渡るかいもなし』

そして松づくしで、松風の行平を待つ女心を詠む。

『待つは辛いと皆おしゃんすけれどもナ
 忍び待つ夜は楽しみに(来るか来るかと待つのもいいもの) 
 締めて根松と 二葉の松の(二人しっぽり仲良く寝て)
 中に小松と思いしに(可愛い子でも、と思ったのに)
 それそれそれ そうじゃえ
 松に添い寝の蔦かずら』

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tea breaku・海中百景
photo by 和尚