猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

恋恋風塵

2019-10-24 22:01:06 | 日記
1987年の台湾映画「恋恋風塵」。

1960年代の終わりの台湾の山村。幼い頃から兄妹のように育った中学3年生の
少年アワン(ワン・ジンウェン)と中学2年生の少女アフン(シン・シューフェン)。
アワンは中学卒業と共に台北に出て、働きながら夜間高校に通う。1歳年下のア
フンも1年遅れて台北に出る。台北で働く2人は、強い絆で結ばれ、慣れぬ都会
暮らしの中お互いに助け合いながら、お盆の里帰りを何よりも楽しみにしてい
た。やがて時が経ち、お互いを意識し始めた2人だったが、アワンは兵役に就く
ことになる。アフンはアワンに毎日手紙を書くことを約束する。

ホウ・シャオシェン監督の瑞々しく切ない青春ラブストーリー。幼なじみの中
学生アワンとアフンは田舎で兄妹のように育った。やがてアワンは卒業し、台
北に働きに出て夜間高校に通う。1年遅れてアフンも台北に出る。アフンは洋裁
の仕事に就き、アワンは印刷所で働いていたがそこを辞め、オートバイでの配
達の仕事を始める。それぞれ友達もでき、皆で食事をしたりと慣れない都会暮
らしの中でもそれなりに楽しい日々を送る。だがアワンとアフンがお互いを意
識し始めた頃、アワンの元に兵役の通知が届く。
とてもピュアな青春映画だ。特に何も起きないので、観る人によっては少し退
屈になるかもしれないが、私は好きなタイプの映画である。山村や都会の片隅
の情景がいい。田舎の山の景色も、都会のネオンが輝く景色も、どちらもいい
のだ。何だか懐かしい気持ちになってくる。台北に出たアワンやその友人たち
はよくタバコを吸ったりビールを飲んだりしているのだが、台湾では10代でも
喫煙や飲酒は構わないのだろうか。それとも大人の真似をしているだけなのだ
ろうか。
アワンの祖父もいい味を出している。畑仕事をし、ちょっとおっちょこちょい
で、親切なおじいさん。ラストでアワンと祖父が語り合うシーンも好きだ。田
舎でも都会でも人々の関係が繊細に描かれていて、とてもいい映画だと思った。
アワンが兵役に就いている間のエピソードも、本当に何でもないのだが、若者
たちの日常の描写が良かった。でも兵役ってやっぱり暗い影を落とすものなの
だなあ、と思った。台湾の青春映画ってどうしてこんなに心に染みるのだろう。



良かったらこちらもどうぞ。ホウ・シャオシェン監督作品です。
ミレニアム・マンボ
フラワーズ・オブ・シャンハイ




映画評論・レビューランキング

人気ブログランキング

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« それでも夜は明ける | トップ | この素晴らしき世界 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (杏子)
2019-10-25 15:32:17
>美登利さん
コメントありがとうございます。台湾映画って情緒があっていいですよね。是非ご覧になってください(^o^)
返信する
Unknown (美登利)
2019-10-25 12:36:21
こんにちは。台湾映画好きなので気になりました。今度観てみます。
返信する

コメントを投稿