猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

いぬやしき

2023-02-09 21:57:24 | 日記
2018年の日本映画「いぬやしき」。

会社や家族から疎外されている、定年を目前に控えた初老のサラリーマン・
犬屋敷壱郎(木梨憲武)。医者から末期がんによる余命宣告を受け、虚無感に
襲われた犬屋敷は公園で謎の事故に巻き込まれ、機械の体に生まれ変わる。
犬屋敷と同じ事故に遭った高校生の獅子神皓(佐藤健)も犬屋敷と同様に人間
を超越した力を手に入れていた。自分に背く人々を傷つけるためにその力を
行使する獅子神。獅子神によって傷つけられた人たちを救うためにその力を
使う犬屋敷。強大な力を手に入れた2人の男たちのそれぞれの思いが激しく
交錯していく。

奥浩哉氏の漫画を実写映画化したアクション・サスペンス。定年間近のうだ
つのあがらないサラリーマン・犬屋敷壱郎は、会社でも邪魔者扱いされ、や
っと一戸建ての家を購入したのに妻子は小さいだの日当たりが悪いだのと文
句ばかり。ある夜犬の散歩で公園に行った犬屋敷は、強い光に包まれ、何か
の事故が起きる。近くには高校生の獅子神皓(ひろ)もいた。そして2人は自
分たちの体がサイボーグ化していることを知る。その後犬屋敷は死にかけて
いる鳩を両手で持つと、鳩は元気になり飛んでいったのを見て、自分には治
癒能力があるのだと知る。
一方獅子神は気にくわない相手を簡単に殺し、殺す能力があるのだと知る。
恐らくは宇宙から来た知的生命体によって機械の体に生まれ変わった犬屋敷
と獅子神は、その特殊な能力をそれぞれ別の方向へと使うようになる。犬屋
敷は余命のことを家族に話そうとするが、悲しんでもらえないのでは、とい
う思いから話しそびれる。彼は病院で脳腫瘍でもうすぐ命が終わろうとして
いる少年を救い、人を救うことに生き甲斐を見出すようになる。しかし獅子
神はゲームのように殺戮を続けていた。
原作は未読だがなかなかおもしろかった。宇宙人が何故犬屋敷と獅子神にそ
のような能力と機械の体を与えたのかはわからないが、漫画を読めばわかる
のだろうか。「善」に生きようとする犬屋敷と「悪」に生きようとする獅子
神。獅子神は母親や親友には優しいが、無関係の人間は平気で殺すという二
面性を持っている。やがて警察の捜査であちこちで起きている謎の殺人事件
の容疑者として獅子神が浮上し、獅子神は顔も公表して全国に指名手配され
てしまう。
犬屋敷は獅子神に「もうやめるんだ」と言うが、獅子神は「あんたには家族
がいるって言うけど、家族はあんたに何かしてくれたのか?」と問う。犬屋
敷の思いはもちろんわかるが、獅子神の気持ちにも少し同情したくなるとこ
ろはある。そして2人は機械の体で激しくぶつかり合う。確かにアクション
・サスペンスだが、全体的に切ない感じがした。これは原作を読む方がおも
しろいかもしれない。機会があれば読んでみたい。それにしても犬屋敷なん
て名字をよく思いつくものだ。うだつのあがらないサラリーマンという設定
に木梨憲武がはまり役だった。




映画評論・レビューランキング

人気ブログランキング

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヴィジット | トップ | すべてうまくいきますように »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
苗字のインパクトが凄いです。 (ウラジーミル・アスポン)
2023-02-09 22:46:41
犬屋敷・・・そんな苗字あるのですね。
しかし、インパクトたっぷりです。
ワンコ好きなら喜ぶ苗字です。
猫屋敷という苗字もあるか気になります。

末期癌だったのに事故に巻き込まれたおかげで、
機械の体で、生き延びるようですね。
ラッキーともいえます。
機械の体に変わった時点で、もう余命の
心配はしなくてすむんですよね。

獅子神皓の獅子神という苗字も凄いですね。

犬屋敷だけに犬を飼っているんですね。
苗字と飼ってるペットの件で、いろんな人からつっこまれそうです。

サイボーグが鳩に対し
治癒力を発揮するのが不思議ですね。
なお犬屋敷と獅子神は正反対ですね。
犬屋敷は治癒力。 獅子神は人を殺す力。

もし、力を選べるなら、
犬屋敷の力の方が欲しいですね。


望んで、獅子神が、悪しき力を手に入れたわけでは無いでしょうけど、
その力でどんどん悪に染まってゲームのように殺戮を続けたんですね。
悪い奴を殺すとか、居ると有害な奴を殺すとか
一応、殺しにしても正義の方向性にはいかないのでしょうかね…。

善に生きようとする犬屋敷ですが、
もしも、犬屋敷が獅子神と同じ人を殺す力しか与えられ
ていない場合は、どうするのか気になりますね。
その場合、与えられた能力を使わずに封印するか気になります。

こんな能力与えられた獅子神は、不幸じゃないでしょうかね。
結局、全国指名手配になるし・・・。

犬屋敷と獅子神、正反対の能力を持ったもの同士、
最後はぶつかり合い、対決するんですね。
返信する
Unknown (西風)
2023-02-10 05:15:39
おはようございます。
いつもありがとうございます。

はい、これは面白いかったですね。
ワタシも原作の方が強烈な印象が
ありました。
映画は映画で描写は強烈でした。
確かに、これおすすめですね😊

ありがとうございました😊😆
返信する
Unknown (鳥天)
2023-02-10 07:53:50
これ初めの数話コミックを無料で読んで、面白かったから全巻大人買いしたわ!実写になると主人公の優しくも情けないおじさん、上手く表現できるのかなぁと思ったけれど木梨憲武は適役かもだ。
返信する
Unknown (杏子)
2023-02-10 11:57:50
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。1度聞いたら忘れない名字ですね。
でも作者の創作の名字じゃないでしょうか?

末期がんがどうなったのか描写がないんですよね。
サイボーグとしてならもうずっと生きられるのか…
多分そうでしょうね。

獅子神のやっていることは無差別殺人で、
「デスノート」の夜神月みたいですね。世界を支配できると思っちゃったんでしょうね…

犬屋敷と獅子神の対決シーンもCGとはいえ
なかなか迫力があって良かったです。
返信する
Unknown (杏子)
2023-02-10 12:09:33
>西風さん
コメントありがとうございます。原作と映画どちらも観られたんですね。
漫画の実写化は失敗することもあるみたいですが、
これは出来が良さそうですね。
主役2人の演技が良かったと思います。
返信する
Unknown (杏子)
2023-02-10 12:21:31
>鳥天さん
コメントありがとうございます。
鳥天さんは漫画全巻読まれたんですね!
私も読んでみたいです。
情けないおじさん、木梨憲武がハマってましたよ(^o^)
返信する

コメントを投稿