猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

恋するシェフの最強レシピ

2022-05-19 22:00:00 | 日記
2017年の香港・中国合作映画「恋するシェフの最強レシピ」。

ビジネスにも食事にも常にパーフェクトを求め、世界の味を知り尽くした
やり手の若手実業家のルー・ジン(金城武)。彼が買収に成功した上海の名
門ホテルで有名料理長が提供する料理はどれも彼を感動させるものではな
かったが、見習いシェフのグー・ションナン(チョウ・ドンユィ)が編み出
す斬新なレシピだけはジンの舌を満足させた。ジンが指定したテーマに合
わせ、完璧な料理を次々と提供していくションナン。2人は食を通して心
を通わせていくが、ジンたちの前にションナンの才能を凌ぐ美人シェフ(
リン・チーリン)が現れる。

ロマンティック・ラブ・コメディ。上海で名門ホテルの買収に成功した実
業家のルー・ジンは、ビジネスにも食事にもパーフェクトを求める高慢な
男。"絶対味覚"を持つジンにとって、このホテルの有名料理長が提供する
メニューはどれも特別に感動できるものではなかった。けれども自由な発
想で斬新なレシピを編み出す見習いシェフのションナンだけがジンの舌を
満足させることに成功する。互いに顔を合わせることなく、ジンがテーマ
を決めて料理をオーダーすると、ションナンもプライドをかけて完璧な料
理を作り出していく。その対決がヒートアップすればするほどジンはショ
ンナンに会ってみたいと思うようになる。
ルー・ジンは美食家で潔癖症で傲慢な資産家だ。金城武はこういう役がよ
く似合うと思う。彼を満足させるシェフはなかなかいない。ところがショ
ンナンが作った料理にだけはジンは感動を覚える。そして作ったのが女性
シェフであることも言い当ててしまう。ジンは彼女に会ってみたいと思う
ようになるが、実はジンとションナンは何度も会っているのである。ジン
はションナンの顔を知らないがションナンはジンを知っており、遭遇しそ
うになる度にションナンは逃げたり隠れたりしようとするが、その際いつ
もやっかいな事が起きてしまい、ジンは彼女を疫病神扱いする。
王道の少女漫画的ラブコメなのだが、結構おもしろかった。ジンのスーツ
ケースから大量の「出前一丁」が出てくるのが笑えた。金城武主演の香港
映画でも出前一丁が登場したが、中華圏で出前一丁は人気があるのだろう
か。ホテルのキッチンで出前一丁を作ろうとするジンだが、完璧主義者な
のでインスタントラーメンの作り方にも非常なこだわりがある。そのシー
ンがユーモラスでいい。ジンがションナンの正体に気づいてからは2人の
距離は縮まっていくが、最初はジンはションナンを天才的なシェフという
興味で見ている。
よくあるように親しくなった2人はケンカ別れをしてしまうが、それで初
めてお互いをとても大切に思っていることに気づく。もうベタベタの王道
である。最後の方で2人の仲を取り持つのがションナンの愛犬だというの
もいい。ションナンは愛犬に向かって「裏切者」と言っていたが。ジンと
ジンの父親が話すシーンはちょっと切なかった。登場する料理がどれもと
てもおいしそうで、特にチョコレートケーキは食べてみたかったなあ。残
念だったのはセリフが広東語ではなく中国語だったこと(私は広東語が好
きである)と、ションナン役のチョウ・ドンユィがかわいくなかったこと。
金城武の相手役としては釣り合っていないと思った。でも全体としてはお
もしろかった。




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2 コメント

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ホテルの決め手は料理かも。 (ウラジーミル・アスポン)
2022-05-20 11:35:36
出前一丁がそんなに中華圏でも支持されていて喜ばしい限りです。
金城武が演じるジンがスーツケースに入れているのが
出前一丁という所がユニークですね。
インスタント麺にも作り方にコダワリがあるのも楽しいです。

私は、インスタント麺の残り汁に卵液を突っ込んで
レンジでチンして簡易茶碗蒸しを作る事などはあります。
YouTubeで観たカップ麺で作るチャーハンも美味しいです。


ホテルにとって大事なのは、食事ですね。
買収したホテルの食事の質にこだわるのも当然です。
レストランだけ利用する人も居るし、
〇〇ホテルのレトルトとかが高めでリリースされてます。

ジンは、ションナンという見習いシェフの料理が気に入ったんですね。
ただ、私が思うに、現実感を感じません。
名門ホテルの料理長やるぐらいの人達は、皆、料理の実力あるから、
半分見習いのような人間にそう簡単に負けるとは思えないのでした。
物語では、現在、たいした地位にいない人がなかなかいいというストーリーが多いですね。
舌の肥えたジンをうならせるほどの実力あるなら、
ジンから良い料理と言われる前に、
もうとっくに上の地位(正式なシェフ)になれそうな気がしますけどね…。
身近で接するのは、料理人たちがその良さに気付くはずで・・・。

この見習いが絶賛されるストーリーって、なんか、現実的でない感じもしますね。

ジンのオーダーをその見習いのションナンに周りの料理人が
任せるのも疑問なんですよね~(;^_^A

でも、コメディなので、いろいろうるさい事を考えずに楽しく見ればいいのでしょう……(^^)/

又、調理している場面とか見るの好きなんですよね…。
今回は料理主体の映画ですが、料理が主体の映画でなくても
印象に残るのが豪華な食卓という事も多く、関心ある部分です。
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Unknown (杏子)
2022-05-20 20:16:30
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。外国映画に日本の商品が使われていると、
クスッとなりますね。ジンがスーツケースを開けると荷物に混じって
出前一丁がたくさん入ってて、この人いつも持ち歩いてるのかな、と思いました。

インスタント麺の残り汁で茶碗蒸しを作ったり、カップ麺で炒飯を作ったり、私はしたことないですが、
おいしくできるものなんですねえ。
ラーメンの汁っておいしいですからね。

確かにホテルにとってレストランの味は重要ですね。
有名ホテル監修のパスタソースとか売ってますが、高いですね。

おっしゃるように、絶対味覚を持つジンを唸らせたのが見習いシェフの
作った料理だというのは、非現実的ですね。
この映画は非現実的なシーンが多いです。
漫画かアニメを観ている感じです。
少女漫画だと思って観るのがいいと思います。

私も映画の中の調理シーンは好きです。
「恋人たちの食卓」という台湾映画や「大統領の料理人」というフランス映画でも
おいしそうな中華やフレンチが登場して、興味深かったです。
私は料理が苦手なので、余計に感心しながら観てしまうのかもしれません。
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