猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

4ケ月、3週と2日

2018-01-19 18:16:22 | 日記
2007年のルーマニア映画「4ケ月、3週と2日」。

チャウシェスク独裁政権末期のルーマニア。女子大学オティリア(アナマリア・マリンカ)は
望まない妊娠をしたルームメイトのガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)から、違法中絶の手助け
を頼まれる。手術当日、オティリアは恋人からお金を借り、それを持ってガビツァが手配し
たホテルへ向かうが、次々と思わぬ問題が発生し、違法手術を行ってくれる約束のベベ(ヴ
ラド・イヴァノフ)を怒らせてしまう。

第60回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、他にもいくつもの映画賞を受賞した作
品である。ルーマニア映画を観たのは初めてだが、ものすごくおもしろかった。
舞台がチャウシェスク政権下なせいか、終始暗い雰囲気で物語は進んでいく。当時チャウシ
ェスク大統領はルーマニアの人口を増やすために堕胎を法律で禁じていた。ところが女子大
生のガビツァは望まない妊娠をしてしまう。そこでルームメイトのオティリアに泣きついた。
オティリアは友人のために秘密裏に奔走するのだが、肝心のガビツァは自分本位で他力本願
で、観ていると本当に腹が立つ女なのである。困っているのは自分なのに、勝手に(手違い
なのか?)ホテルを変更してオティリアを戸惑わせたり、用意するべき物を持ってきていな
かったり、妊娠週数をベベに嘘を言っていたり、とにかく他人任せでどうにかなると思って
いるのだ。オティリア、あんな子のために苦労しなくていいのに、と思った。
中絶も、あんなやり方なんだ、と観ていて胸が悪くなる感じだった。ホテルの部屋でこっそ
りやるのだから、もちろん病院のやり方とは違う。このシーンは女性なら辛く感じるだろう。
いろんなアクシデントに見舞われ疲れているオティリアが、ガビツァを心配して部屋に電話
をしてもガビツァは出ないし、本当に人騒がせで考えの甘い女だ。そして激動の1日は終わ
る。ラストシーンも好きだ。すごく私の好みのタイプの映画で、DVDを買いたいと思った。
パルム・ドールは伊達じゃない。










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