猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

シャーク・ド・フランス

2024-06-08 21:09:22 | 日記
2022年のフランス映画「シャーク・ド・フランス」。

フランス南西部にあるリゾート地ラ・ポワントである日、1人の
男性が正体不明の生物に襲われる事件が発生。観光客でにぎわう
ビーチはパニックになり、封鎖されることになる。早期退職を予
定していた海上憲兵隊の一員マジャ(マリナ・フォイス)は、これ
がサメの仕業であると推測。最後の任務としてサメ退治に挑み、
勇敢な彼女はサメの捕獲に成功する。地元の人々からも祝福され、
晴れて引退したマジャだったが、海岸地帯で新たな犠牲者が出る。
一転して非難を浴びることになったマジャは、再びサメ退治に向
かう。

「ジョーズ」にオマージュを捧げて描かれた、フランス映画史上
初のサメ映画。早期引退を間近に控えていた海上憲兵隊の一員・
マジャ。思い残すことはもう何もないように思えた。しかしある
日ちぎれた男性の足が流れ着く。マジャはこれがサメの仕業であ
ると推測し、ビーチを封鎖するように市長に言う。責任を取らさ
れるのが嫌な市長はそれを受け入れる。この辺りは「ジョーズ」
と違っている。あちらは主人公の警察官がビーチを封鎖するよう
市長に言っても、バカンス客で儲かっている市長は封鎖を認めな
かった。
マジャは同僚2人と共にサメ退治に向かうが、殺さずに麻酔銃で
仕留め、サメをインド洋へ運ぶことを選んだ。しかしその後サメ
が逃げ出してしまい、新たな犠牲者が出てしまう。マジャは町中
の人々から非難されることになってしまい、犠牲者の息子たちか
らは暴行を受ける。この手のひら返しはひどいと思った。マジャ
は環境問題や希少動物の保護を考え、サメをインド洋に運ぼうと
考えていたのだ。
責任を感じたマジャは再びサメ退治に向かうことにする。同僚2
人も集まってくれた。サメ映画で女性が主人公というのは珍しい
のではないか。数え切れないくらいサメ映画は作られていて、そ
のほとんどはアメリカ映画だと思うが、やっぱりフランス映画は
どこか違うな、と思った。ただ女性がケージに入ってサメとやり
合うのは無茶すぎると思った。しかも、サメ退治に向かった3人
の中から犠牲者が出てしまうのはかわいそう過ぎる。これはやめ
て欲しかった。
「ジョーズ」のように背びれが近づいてきてサメの全容がなかな
か明らかにならない演出は似ている。でも迫力やサスペンス度は
比べものにならない。「ジョーズ」はサメが口を開けたところは
本当に怖かった。本作のサメはあまり体も大きくないし、それほ
ど怖くはない。でももう若くないマジャの活躍はかっこよかった。
そしてマジャの夫・ティエリー(カド・メラッド)のマジャへの愛
は感動的。「英雄には2種類ある。国を守る者と、愛する人を守
る者と」というナレーションが流れるが、マジャは国を守った英
雄でティエリーは愛する人を守った英雄なのだろう。ティエリー
が生きていて本当に良かった。B級映画と思って観ればなかなか
おもしろいと思う。



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コメント (4)
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